DreamLite (ページ2)

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第一章　第一話　あの日から… ページ2

ー10年後ー

あの日から世界は変わった。

技術や、生活…何もかも変わっていった。

まるで、何もかも無かったようにー…。

那白真夜(なはくまや)は考える。

ふざけているのか、と。

私は、嫌な思いをしたのに、と。

真夜は、高校へ行くための安全ルートを歩く。

片手に持つ、小説に目を落としながら。

「本当に、忘れてしまったのかな…？」

ﾎﾞｿｯっと、滅多に出さない女の子口調で言う。

近くにいる人は何も聞こえなかったらしく、

普通に真夜の隣を通り過ぎる。

真夜は、時間は大丈夫なのか、と思い、手にある腕時計で時間を確かめる。

時刻は、8:12。

12…？

「(ヤバいぞ！遅刻してしまうかも知れない！！)」

真夜は咄嗟に思い、手に持っていた小説をスクールカバンへ直し、ありったけの全力で走った。

ー同時刻ー

「ありがとうございました。」

ある少年に母親が謝る。

「いえいえ。当然の事をしたまでです。」

少年は頭を下げて謝る母親に焦りながら言う。

ふと、少年は駅前の時計を見る。

「…っ！…あの、もう学校に遅れるので…行きますね…？」

少年は母親にそれだけを言って走る。

「ﾌﾌｯ…。さ、行きましょう？新たな予感がします。」

母親？らしき女は、後ろに隠れていた男性に言う。

「これから面白そうな予感的中ね。頑張って！…花華」