【蟲師】気まぐれな蟲【原作沿い】 (ページ10)

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瞼の光【ギンコ→ビキ視点】ページ10

？『……』

またこの子か。

最近、第二の瞼を閉じる度、この子供がいる。

毎回、そいつはコウキの近くへと歩み寄る。

ギン『ダメだ。』

？『……？』

ギン『それ以上、その川には近づくな。』

この会話も、何度目だろうか。

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ギン「……」

「どうしたギンコ。」

ギン「また子供がいた。」

「例の人の子か？目に包帯を巻いてるとかいう……。」

ギン「あぁ。あいつ、第二の瞼を閉じる度いるなぁ。」

「……そのうち川に入るかもな。」

ギン「かもな、言っても言っても、毎回川に入ろうとする……。お前から説得できねぇか？」

「なんで自分が…。入ろうが関係ない。」

ギン「またそれか…;

行く宛もないし、次はそいつの所にでも行ってみるとするか。」

「おっ、旅先が決まったか。」

ギン「嫌なら着いてこなくていいんだぞ」

「誰が嫌がったよ～。着いてくって」

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？「おはよう、スイ。」

スイ「おはよう、ビキ。」

ここは蔵の中。

ビキ「今日はどう？まだ目は痛む？」

そう言いながら、包帯を替えてやる。

スイ「ねぇ、ビキ。」

ビキ「ん？」

スイ「ビキには教えてあげるね。私知ってるの、この病気の原因。

蟲が居るのよ、住んでるの。ずっと、私の目の中に……。」

スイは本家の末娘で、半年ほど前、光が当たると目が痛むという病を患った。

それは、どこの眼医にもわからぬ奇病で、治療法も見つからないうちに、まずかな光も痛がるほどになって行った。

そのため、より光を遮る丈夫な蔵のある僕の家へ1人預けられたのだ。

それはスイのためだったのかもしれないけど…

僕には、スイがここに捨てられて行ったように見えた。

スイ「瞼の裏にね、もう1つ瞼があるの。」

僕が包帯を替え終わった頃に、そんなことを言った。

スイ「そこは、絶対に外の光が届かない場所で、蟲はそこに居るのよ。」

ビキ「2つ目の瞼？」

スイ「そうよ。ビキは閉じ方知らないの？」

知らないも何も、今初めて聞いた。

スイ「じゃぁ、教えてあげる。目を閉じて」

僕は、スイの言われた通りにしていった。

けど、出来なかった。

ビキ「出来ないよ…」

スイ「そう？ビキって不器用ね((ｸｽｸｽｯ」

……笑われた。