緑の座7【ギンコ視点】 ページ8
レンズはゆっくりとそれを飲み干して行った。
これできっとシンラにも見えたはずだ。
シン「婆ちゃん…？」
レン「………」
ギン「何照れてんだよお前ら」
シン「いやだって、思ったより若かったっつぅか;」
「いい歳して照れんなよぉ、レンズ婆さん♪」
レン「ﾌｯ！」
ドスッ！))
「〜〜ｯ てぇ…ｯ！殴ることはないだろ…ｯ」
レン「日頃の行いだな。」
そっちはそっちで楽しそうだな。
ギン「ほら、お前も行っとけ、祝いの酒だ。」
シン「あっ、うん。
(ん……？何だ……。これは……婆ちゃんの記憶だ。)」
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＿＿＿＿＿＿
【レンズ視点】
《＿＿＿＿
さぁ、残りの酒を全て飲み干されよ。》
言われるがままになっていた。
もう、なにも考えられなかった。
その酒が美味すぎて。
美し過ぎて……。
ちょっとずつ…ゆっくりと飲んでいく。
カァー!!!
レン「っ！！」
カラス……
さっきまで、複数人で円になって飲んでいたはずだった……けど、周りを見渡しても誰もいない。
盃は持っていたままだったが、乾いていた。
私は懐に盃を入れた。
…………………
レン「帰らなきゃ」
・
パリン________。
・
あれ……？
なんで私は、自分の背中を見ている？
待ってくれ……行かないでくれ…………ｯ
………もう、私は戻れないのか…。
誰にも見えない。
話しかけても向こうはわからない。
もう、誰も私に気づいてはくれない……。
・
そう、思っていた。
・
「こんなとこで何してるんだ？」
その笑顔に、
その優しさに
私は救われた＿＿＿＿＿。
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
【ギンコ視点】
シン「ｯ！」
レン「シンラ…？」
シン「あれ……どうしたんだろ…僕。」
シンラの涙は止まらなかった。
レンズの感情、感覚がつぶさに流れ込んできたのだという。
ただただ……
盃が割れてしまったことが悲しかったのだという。
そして、それに感応するように、コウキも盃から湧き続けた。
とめどなく流れ続けた＿＿＿＿＿。
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作者名：驟雨-ｼｭｳｳ- x他1人 | 作成日時：2019年3月17日 2時
