緑の座5【ギンコ視点】 ページ6
レン「もう良い、いいんだA。ありがとうな。」
「………」
レン「ギンコと言ったな……
お前もそうAを責めないでくれるか、こいつはただ私を庇おうとしていただけなんだ。
その半欠けの盃は私のだ。なかなか言い出せなくてすまなかったな。」
ギン「……いや、もういいさ。俺も熱くなりすぎた。」
レン「こうなってしまった詫びだ…話そう。
何故Aが言うのを拒んだのか……
勿論、私の事もな。」
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ギン「なるほど、つまりお前は元々人だったのが蟲の性質を持った類のものだったのか…。
それでこの盃が半欠けになった理由もわかった。」
レン「あぁ、あとはお前の推測通りだ。話が早くて助かる。」
「…………レンズは…シンラに会いたいのか…?」
ギン「突然喋ったと思ったら…なんだその質問は;」
「ギンコには聞いてない」
……こいつ完全に拗ねてやがるな。
「どうなんだ、レンズ。」
レン「そりゃ、出来ることなら会いたい………。」
ん?待てよ……
こいつまさか…
「…………」
レン「?」
「ギンコ」
ギン「…;」
「……レンズとシンラを合わせてくれたら、許してやらなくもない……。」
レン「!?」
ギン「ッはぁ……」
やっぱりか……
レン「おいA、なにもそこまでしなくても…!!」
ギン「や、いいよ……今のこいつに誰が何言ったってどうせ聞かない。」
レン「……お前も大変だな…」
ギン「もう慣れた……。」
下手したら俺が産まれた時からこいつがいたんだぞ?
ギン「さて…元に戻す方法だが___」
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翌日
シン「婆ちゃんがまだ…この家にいる……?」
ギン「と言っても無論、人としてではないがな。人と蟲の中間のものとしてだ。」
シン「どういう…こと…?」
「"蟲の宴"っていうのがあるんだけどな…。たまに蟲が人に擬態しては宴に人を招くんだ。
そこで人は盃を渡される。注がれた酒を飲みほすと、蟲の世界の仲間入りってわけさ。」
シン「婆ちゃんが…それに?」
ギン「あぁ、今Aが言った通りだ。でも、その宴が中断された。
おかげでお前の婆さんは蟲にならずにすんだが…家に戻った婆さんはもう、以前の婆さんではなくなっていた。
半分をあちら側に置いてきてしまったんだ。」
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作者名:驟雨-シュウウ- x他1人 | 作成日時:2019年3月17日 2時