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Noside
「撤回しろ」
「しない」
「Aはお前のじゃない」
「俺の」
本人が話せない事を良いことに好き放題言い合うイルミとクロロ。
いがみ合う2人を見て兄は溜息をついた。
「呆れた、そんなにそれが欲しいか？あのゾルディック家の人間が？滑稽だな、うちの出来損ないにそこまで価値があるなんて」
「欲しいんじゃなくてもう俺のなんだってば、分からない奴だな」
「だからお前のじゃ」
「話がややこしくなるからクロロは黙ってて」
これまでの会話をAはというと、ぽかんとして見ていた。兄が、父親が怖いのはそうだが、必ず離さないという意志を感じるイルミの腕の中にいるのは安心した。
「Aの意見以外どうでもいい、Aはどうして欲しいの？」
「…………」
答えは決まってる、それはイルミにだって分かっていた。こんな扱いされて、こんな辱めを受けて、尊厳を踏み躙った相手を守って欲しいと言うとは思えない。
ただAの口から聞きたかった。
自分を頼る“助けて”という言葉を。
声が出ないのを分かった上で尚、聞きたかった。
「イルミ、お前性格悪いな」
「クロロに言われたくない」
「易々とどうにかできると思われてるのも心外だな。それにこちらには敵意が無いのに攻撃を仕掛けられても困る」
「関係無い、Aが俺に依頼すればそっちに敵意があってもなくても殺すよ。そういう仕事でしょ？俺ら。」
俺ら、なんて同業者とはいえ同じ扱いはされたくは無いが。
イルミはこれで何度目かの溜息をついてAを見る。
Aは怯えたように目を瞑っていたが、顔を上げてイルミを見つめた。
「………………っ！」
「聞こえない」
「…………だ、すっ……げ、…てっ」
「うん、いいよー」
いつもの様に、まるで事務所で雑談をする時のように。
何の抑揚もない声でイルミはそう言った。
「イルミだけ狡いぞ」
「俺が1番に着いたからねー」
機嫌が良さそうにイルミはAを見る。無理をして声を出したAは少し苦しそうに咳をしていたがそれでも、いやむしろそんなAを見て更に笑った。
そして涙をペロリと舐めた。
「〜〜〜っ！？…っ……！！」
「ああもういいよ頑張って喋らなくて。黙ってここにいれば全部終わるから」
イルミはAを肩で俵担ぎをして片手を開ける。針を数本取り出して、さて。なんて呟いた。
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ヴィンセント・ヴァンクール - とっても面白かったです！面白すぎて一気に読んでしまいました！！続き楽しみにお待ちしております╰(*´︶`*)╯♡ (11月17日 16時) (
レス) @page21 id: 0ffcd0578b (このIDを非表示/違反報告)
とらじ - 私の性癖にブッ刺さりまして…一気に読ませてもらいました！作者様のペースでいいので、続きをお待ちしております！ (2022年9月22日 20時) (レス) @page21 id: c8f94ad8bd (このIDを非表示/違反報告)
パンツ - じゅじゅき無くて泣きそうあああああああああああ (2022年7月17日 11時) (レス) @page21 id: 804c35253a (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン(プロフ) - 凄く面白いです！更新頑張ってください！ (2022年5月5日 6時) (レス) @page20 id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
リト - 待っていました！思っていたより最高のお話で、良かったです！これからも応援してます♪ (2022年4月4日 22時) (レス) @page18 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山菜 | 作成日時：2022年3月8日 5時
