【H×H】萬屋は家族を夢見る【男主】

2-8 ページ17

次の試験は自分が引いたプレートに書いてある数字の受験者がターゲットとなり、ナンバープレートを奪うというもの。

俺は199番の……確か三人組の末弟だったかな？


うーん、さっきの試験のわだかまりが無くならねぇからどこかで発散したいなぁ


船に乗っての移動。どうやら199番の彼はキルアを意識してる。ターゲットなんだろうな。
ってことはキルアといれば彼は自分から着いてきてくれるってこと

でもなぁ、セコいかなぁ




なんてグルグル回っていたらゴンと一緒に行動していた高身長の403番と金髪の404番とばったり。


「俺はA、ゴンの仲間だろ？俺も飛行船でゴンと仲良くなったんだ。よろしくな」
「えっ……ああ、私はクラピカ。よろしく頼む」
「俺はレオリオだ。まさかおめーのターゲットが俺達だなんて言うんじゃねぇだろうな」

「はは、違う違う。じゃあ声掛けねぇって。」


レオリオ君は顔に出やすいタイプなんだろうな……、その優しい心音と分かりやすい表情と香水の香りは何となく俺の心を落ち着かせた。

根っからの良い奴なんだろ、そういう心音と匂いだ。


対してクラピカ君は俺への警戒が物凄く高い。そんなに警戒しなくたって嘘じゃねぇのに。

疑惑、警戒、そんなものの視線で刺すのはやめてくれ俺も気が立ってるから。


……でも年下に八つ当たりはよくねぇよな。大人げない……。



そんな自己完結に至って俺はため息をつく。

まぁイルミがあんななのは今に始まった事じゃない。裏を返せばあの針を俺が避けるって信じてたってことだ。そんな訳ねぇけどそういう事にしておこう。

普段ならともかくあの人数の中雑踏の音で針が飛んでくるのに気が付かなかったらいけないからと声をかけてくれたし、うん、そういう事にしとこ。


いつまでもイライラしてちゃ駄目だよな……。


「何か悩んでんのか？」
「ああごめんレオリオ君、大丈夫。ありがとな。クラピカ君も、そんなに警戒しなくて大丈夫。本当にターゲットじゃないんだ」

「……そうか」
「…ん？……なぁクラピカ君、良かったら出身聞いてもいい？」

今までクラピカ君をこう、ちゃんと見てなかったからなんとも思わなかったけど、彼からは知らない匂いがする。

そう思ったから聞いたんだけど、どうやら彼の地雷だったらしく驚きと、先程とは比べ物にならない警戒心を見せてきた。
レオリオ君も恐らくクラピカ君を案じてか、俺を見る。

敵かどうか見定めるみたいに。

2-9→←2-7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す