一夜で終わるはずだった【YG】

35*キスー貴女sideー ページ36

｢俺の彼女になってくれる？｣



信じられなかった。

夢かと思った。


でも、目の前のユンギは真剣な顔をしている。





『……ユンギ？』


｢…嫌だったら、何も言わなくていい｣





嫌じゃない。



嫌なわけない。


大好きな人から、絶対に届かないと思ってた人からの告白。




『私でいいの…？』


｢Aじゃないとだめだ｣



そう言って柔らかく微笑むユンギ。


あぁ、この人しかいない。





『ユンギっ』



抱きしめて、名前を呼んで、｢好き｣｢大好き｣って繰り返して、涙を流して…。



｢俺も。好き｣


『ユンギい…っ、好き…！』






｢A…キスしてもいい？｣




頷くと、ユンギは頬を撫でてキスをした。


今までにないくらい優しいキス。



『…ん』


｢俺、今幸せ…｣


『私も、幸せ』


｢…なかなか会えないと思う。でも時間作って会いに来るから。その時は待っててくれるか？｣


『私が待ってなかった時あった？』


｢なかったな｣



2人であははって、見つめて笑う。



｢…笑ってるところ、初めて見た。可愛いな｣


『……っ』




ずるい。


急にそんな、可愛いなんて。




｢あ、顔赤くなった。可愛い｣


『は、恥ずかし』


｢…だめだ。俺、Aのこと好きすぎるな｣



ユンギの顔を見れば、ユンギも私と同じように頬を赤く染めて困ったように笑っていた。




……ユンギ。



私幸せ。




選んでくれて、ありがとう。

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