一夜で終わるはずだった【YG】

23*よしー貴女sideー ページ24

『…うそ…』



朝、テレビを見てみれば、ユンギの事務所から出たアイドルの熱愛報道が放送されていた。




『デビューしたばっかりなのに…』




人の不幸が美味しい業界では情けなど何も無い。


人が食いついてくれるネタがあるならなんでも取り上げる。
怖い業界。


私が見ていたニュースは、Big Hitエンターテインメントに所属しているアイドルの過去の熱愛報道も取り上げていた。


バンタンのメンバーも取り上げており、ユンギも例外ではなかった。



『……やだ。朝からこんなの』



ユンギの報道を見終わらないうちにすぐチャンネルを変える。


アイドルも一人の人間。


恋愛するのは当たり前だと思っても、モヤモヤする。




『馬鹿だなわたし。…そんなの気にしても意味ないのに』




最近は気持ちが落ち込みやすい。




『あー！！ やだやだ！！ よし！ 仕事！ 仕事行こう！ うん！そうしよう！』



頬を叩いて元気を注入した。




『がんばったご褒美に甘いものも買っちゃおう！ なんなら我慢してた炭酸だって買っちゃおう！ いいぞA！ お前はがんばってる！』




1人で言ってて寂しくないかって？


そりゃ寂しいよ。




がんばってる私を褒めないと。



…褒めて欲しい人はいる。



でもその人にはきっと褒めてもらえない。


届かないから望まない。









そうすれば必要以上に傷つかない。

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