夜久衛輔とシちゃったら

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…そういえば俺、Aとシたよな。




授業中、少し離れた前の席に座るAを見つめて



1週間ほど前にシた事を思い出す。








それにしてはAの奴、



俺に対する態度が超普通じゃねえ？





俺も顔とか態度に出してないと思うけど



Aも大概だな。






そんな事を考えながら、`外科室´という話について


熱く語る教師の言葉に軽く耳を傾けつつも



俺はAについて考えるのだった。







いや、だからといって


態度に出して欲しいとかそういう訳じゃねぇけど。




避けられたり、挙句の果てにもう話せなくなるのなら



態度には出されない方がいいに決まってる。




好きな子にそんな態度取られたら、超ヘコむからな！





ぼーっと教師を見つめていると、目が合った。



なぁんか、いやな予感…？







「んー、じゃあ、夜久！」



「んウィッス」



「なぜ夫人は麻酔薬を拒んだと思う？」





嫌な予感、的中。




教師に指名されて立ち上がるも、答えは分からない。



さっき読んだ箇所に、


麻酔薬を進める看護師に


うわ言を言うから麻酔薬はやめてと



拒む夫人の描写があったことを思い出す。








「え？ …..うわ言、ですかね」



「そうそう！ その通りです。では、ここについてもっと掘り下げてみましょうか」





あー、よかった。







安堵したあと静かに席について、



教師に向いていた視線をAに戻す。







右頬越しに見える長いまつ毛と、露わになった耳。




そして、しなやかな首筋。





それが一時でも俺の手の中にあったと考えると



幸せな気持ちが、たまらなく俺を満たしていく。




告白より先に、致したんだけどな。




いや、もう、



あれは全面的に俺が悪いって言うかなんて言うか。








…順番を間違えたけれど、



このまま粘っていけば付き合えるだろうか。






外科室の話から少し経ったある日




危機感のない


俺の耳を疑うような話が入ってきたのだった。









「ちょっとA！ リエーフくんといい感じってマジなの！？」









聞き馴染みのある名前が、俺の耳に届いた。






今、リエーフって言ったか？






リエーフって、あのリエーフか？




他にも同じ名前の奴いるか？






いや、どう考えてもうちの部員のリエーフだよな。








そんなリエーフといい感じって、




ちょっと待て、それどういう事だ。

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