エピローグ*夜久衛輔とシちゃったら ページ12
「あのさ、気になってた事あんだけど」
『え、なに?』
ふたりして階段に腰をかけ、そういえば。と
晴れて彼女になったAの顔を見た。
先程、真っ赤な林檎をからかった後
「…俺の彼女になってくれよ」
『もちろん…っ』
ぶっきらぼうな告白を受け入れてくれたAは
もう俺の彼女で、
いつでも触れていい存在になった。
そんなAのことで
ひとつ、気になることがあるのだ。
「この前さ、リエーフに`またね´って言わなかっただろ。あれ、わざと?」
『…気付いた?』
Aは頭に手をついて小恥ずかしそうに笑った。
その答えに、
あぁ、やっぱり意図的だったのか。と納得する。
俺にはいつも言うのに、
リエーフには言わないのは違和感だった。
…でも、それならどうして俺にはまたねって?
「…まあ。俺にはいっつも言うだろ?」
『だって、そしたらやっくん話しかけてきてくれる…って、おもっ、たの』
口調がたとたどしくなる事に比例して
小さな手でスカートを握る力は強まり
また、真っ赤な林檎になったA。
理由も、やる事も可愛すぎるだろ。
またねなんか無くても、
俺の心はとっくに奪われていたのに。
「あーもう!! ぜってえ逃がしてやんねえ!」
勢い余って細い身体を抱きしめる。
力強く。
『くる、しい』
「…悪い」
『んーん、嬉しいから…』
「ほんっと! 煽り上手な彼女なこった!」
.
外科室のような、
内に秘めた恋心で終わらせなくて良かった。
もし恋心を内に秘めていたのなら…
すでにそう考えると恐ろしくなる。
これから先、
余裕なAを赤面させるのも
キスしたいって思われるのも
ずっと一緒にいたいって思わせるのも
幸せすぎて涙が出るのも
全部、俺がそう思わせられる。
幸せそうなAをずっと隣で見ていられる。
こんなに幸せなことは無いだろう。
「ほんと俺、幸せすぎてどうにかなりそう」
『…わたしも、しあわせ』
行き場のなかった手を絡めて
涙に濡れる瞳を閉じ
そっと触れるだけの、優しいキスをした。
ーfin.
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桔梗(プロフ) - ハクさん» お返事ありがとうございます!楽しみに待ってます^_^ (2020年8月7日 21時) (レス) id: 0a506d7e76 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 桔梗さん» コメントありがとうございます^^第一時のリクを全て消化した後に燃え尽きていなければ頂きます...!(でもまっつん推しなので書く可能性大) (2020年8月7日 19時) (レス) id: 63b947b75a (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - このシリーズのお話をいつも読むのが楽しみです!!いつか、松川さんのバージョンも書いてください!!これからも楽しみにしています!! (2020年8月7日 9時) (レス) id: 0a506d7e76 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 麦さん» コメントありがとうございます〜!!つむさむは個人的に書こうと思ってネタを仕込んであるので、後々書かせていただきますね〜! (2020年8月6日 21時) (レス) id: 63b947b75a (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - やなさん» あとがきにてフラグについてのお話をさせて頂きました。目を通して下さると幸いです。ご指摘ありがとうございました。 (2020年8月6日 21時) (レス) id: 63b947b75a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハク | 作成日時:2020年7月26日 22時