隣の赤葦くんがすごく話しかけてくる【赤葦京治】

じゅうきゅうもちもち ページ21

『いやぁ、面白かったね』




「んね！ 次は春高でしょ？ 絶対見に行こね！！」




『もちろん！！』






閉会式まで見終え、ふわりと階段を下って体育館を後にする。





試合の熱がまだ体に残っている。早く次の試合がみたくて、たまらない。









「A！！」





『ん？』





今日はよく名前を呼ばれるなぁなんて思って振り返ると、さっきまでコートで試合をしていた京治が小走りで私たちの方まで駆けて来た。






「今帰るとこ？」




『うん』




「あー、その、この後空いてる？」




照れ葦くん、ゲットです。



少し赤面しているのは神です。最高です。









空いてます！！ って言いたいけど、このあとはふわりと一緒にご飯を食べて帰る予定がある。時間は5時過ぎだけれど、少し時間を潰せば問題ないだろう。





『ふわりとご飯食べて帰ろうかなって』




「綿貫さん、俺もいい？」





私の答えを聞いた京治は「なるほど」と相槌を打ち、目線をふわりに送る。








「全然おっけー！」





ウインクをして答えたふわりに、満足気に微笑む京治。






あぁ、今日は京治がかっこよく見えて仕方がない。





ちょっとした動作だけではなく、ただ立って存在しているだけでかっこよく見える。








「あっ、でも人数微妙じゃん？ もう1人誰か呼ぶ？」






「赤葦ー！！！！」





「あー、必要ないかも」






京治は声のした方を向きながら、そう答えた。京治の名前を呼んだ人物は聞くまでもない。この元気な声の持ち主は、今日の試合で代活躍だった木兎さんだ。






木兎さんはあっという間に私たちのもとへやってきて、目を輝かせながらこう言った。







「赤葦今から暇！？」




「いえ、Aと飯食いに行きます」




「へー。じゃあ俺も行く！！」






一緒にいい？ ではなく、行く！ という所が木兎さんらしい。







『ふふ。どこに行きます？』




「焼肉！」





「おー！」







4人になり数が揃ったし、何を食べに行くか決めようと思い話し合っていた時、金髪で目の細い人と、ツーブロックの人が超特急でやってきた。






「おい木兎抜け駆けすんなよ！！」





「俺たちも！ ね、もちこちゃんいーい？」





『はい』





｢「やりいー！！」｣







2人は嬉しそうにハイタッチをして喜んだ。









今日は賑やかな夜になりそうだ。

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