隣の赤葦くんがすごく話しかけてくる【赤葦京治】

じゅうよんもちもち ページ16

「木兎さん。大声で呼ばないでくださ…。え、A？ どうして木兎さんと…」




『ど、どうも』





人混みをかき分けて、京治が私たちの元へ来た。




木兎さんの元にいる私に驚いて、木兎さんに「どうして」と言いたげな目線を向けた。






「もちこちゃん、赤葦に渡したいものがあるんだって！」





『あの、これ、差し入れ的なやつ。い、要らなかったら捨ててっ』





そこまで言っちゃうんですか木兎さんと驚きながら、京治に差し入れを渡す。京治は「そんな事する訳ないじゃん」と息を吐いて、差し入れの入った袋を受け取った。







「これ、Aが選んだの？」




『うん。その…』




「……やばい。すごい嬉しい」





口元を手で覆い隠しているが、赤くなっている耳で彼が照れているのだと分かった。






『喜んでもらえてよかった…』






「これは嬉しいよ。ありがとう。試合、すごく頑張れる」





『あはは。応援してるね』




素直な言葉に私も照れていると、どこからともなく京治と木兎さんを呼ぶ声が聞こえた。






「じゃあ、また」




『うん。がんばれ！』







声のした方に歩き出した京治に手を振り、私たちもその場を後にする。そして応援席に座った時、黙っていたふわり勢いよく私の腕に抱きついた。








「ねえ！！！ ちょっと待って！！ 2人とも付き合ってないの！？！？」

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