隣の赤葦くんがすごく話しかけてくる【赤葦京治】

ろくもちもち（赤葦side） ページ8

「なーんか赤葦、今日元気？」


「別にいつも通りじゃね？」


「いつもと変わらないですよ」


「赤葦顔に出ないからね〜」




部活が終わり、更衣室で着替えていた時の事。


木兎さんが俺の顔を見つめていたと思ったら、大きな声でそう言うからびっくりした。



今日は早く帰ってゆっくり休みたいので、他の木葉さんや猿杙さんに合わせた。





…「何か」はあったんだけどね。






「いーや！ 変わる！ なんか嬉しい事でもあったんじゃないの？」


「…まあ」


「ヘイヘイヘーイ！ なになに！？ 何があったの？」


「そんなに大層なものじゃないです」


「そぉかぁ〜！？ ……あっ！ 赤葦がこんなに顔に出るのは〜…」


「ちょっ」




木兎さんは閃いた顔をした。



しまった。





時すでに遅し、だ。





「「もちこ」ちゃん関連でしょ〜！」



「…………」



「えっ！ 赤葦もちこちゃんと進展あったの！？」


「まさか付き合ったの！？」


「付き合ってないです。ていうか、どうして俺が餅以さんの事すっ……っ、気になってるの知ってるんですか」





危ない。


好きって言いそうになってしまった。





なんでも言わせようとしてくるこの空気、甘く見ていると墓穴を掘ってしまう。






「いや…だって〜？ 赤葦大会の休憩中とかよくもちこちゃん見てるじゃん」


「笑ってるしな！」



「そ、そんなに顔に出てましたか」


「微笑んでるくらいだけどネ」




なんだって。



そんなに顔に出ていたのか！？


絶対にバレないように気をつけていたのに。





「ヘイヘイヘーイ！！！ 水臭いじゃねーか！ もっと言ってくれていいんだぜ！？」



「そういうのは…ちょっと…。じゃあ、お先に失礼します」





肩を組んできた木兎さんの手をそっと離して、部室を後にした。




…まさか、そんなに顔に出ていたなんて思わなかった。





明日は、ポーカーフェイスでいられますように。







￣￣￣￣￣￣
その頃部室では



「しまった！！ もちこちゃんと何があったのか聞くの忘れた！！」


「そこが1番大切だったろ！！ 木兎のウザ絡みには困ったもんだ」



「クゥー！！ すまん！！」



「肉まん奢りな〜」


「俺、ピザまん〜」


「カレーまん、2個」



「んなっ！！ 今月キビシーんですけど！」



「ははっ！ 明日の景気ずけってことで！」




「くっそー！！ ぜってー優勝してやる！！」



「おー！！！」

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