にもちもち ページ4
「赤葦とAさ、めっちゃ話してるよね」
廊下を歩きながらふわりが話す。確かにその通りで、席が隣になってから赤葦くんとはすごく話すようになった。
『確かに…。席隣になってから、赤葦くんめっちゃ話しかけてくれるんだよね』
「赤葦ってそんなキャラだったっけ?」
『いや、それな? 私もそうだと思ってたんだけどさ、実際話すとめっちゃ気さくっていうか…親しみやすいっていうか…』
「他の子と隣の時は、ぜんっぜん話してなかった気するよ」
……そう。赤葦くん、他の子と席が隣の時は必要な事以外話さなかった気がする。男子はそれなりに話してたけど、女子は話してなかった。
だから、クールなイメージがあったんだけど…。
『うーん…。なんでだろう…。私もそれは気になるんだよね。私にそこまで話しかけられる何かがあるとは思えないし…』
「これは、ワンチャンあるんじゃないの?」
『いやぁ、そうだったらいいんだけどね…』
過去、自分に近寄ってきた男達を思い出す。
私は「もちこ」という名前で、イン〇タでコーディネートを投稿している。
ありがたい事にフォロワーの数が5万人を超え、ちょっとしたインフルエンサーとなりつつある。それを利用しようとする男達ばかり寄ってきた。
私と付き合っておこぼれをもらおうとする男達ばかりだった。
お洒落でもない。ただ流行を追いかけているだけ。自分のスタイルがない。そんな人、彼氏にしたくない。いや、フォロワー目的近づいてきてるあたりで論外なんだけど。
ふわりはそういう事情を知っている。ふわりもまた、そこそこのフォロワーがいるから。
「赤葦なら大丈夫でしょ? 無難なところだよ」
『確かに…。普通に話してるだけだけど、楽しいんだよね〜。あと服のセンスがドンピシャ! 理想オブ理想。付き合ったら一緒に服屋巡りしたい…』
「赤葦のセンス分かる!! 小物の合わせ方あたしも参考にしてるもん」
『それな〜!! でもね、赤葦くんの事、本当にちょっと気になってるんだよね』
「えっ!? まじ!? なにそれ、ちょっと詳しく聞かせてよ」
『戻ったらね!! ほら、職員室着いたよ!』
こういう話全然しないから、照れる。
職員室が近づいた事を言い訳にして、一旦恋バナを終わらせる。
「はやい! じゃ、入るよ」
『はーい』
本当はちょっとじゃなくて、
だいぶ気になってるんだけどね。
348人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒瀬(プロフ) - 最高すぎました!木葉くんとふわり姉さまの恋も順調に進んでいってたらと願ってます! (2022年7月22日 19時) (レス) @page32 id: c2f07a43fa (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 和葉さん» コメントありがとうございます!にやけて頂けるなんて嬉しいです! すみません、確認してきたのですが見当たらず…。お手数をお掛けしますが、教えて頂けますか? (2020年7月6日 22時) (レス) id: 63b947b75a (このIDを非表示/違反報告)
和葉 - にじゅうさんもちもちで誤字発見しました~こっちの間違いだったらすみません()あと完結おめでとうです!読んでる時ずっとにやけちゃってました…//// (2020年7月5日 23時) (レス) id: c3b9fb294b (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - LiSAさん» LiSAさん〜!こちらにもコメントありがとうございます!嬉しいです…!読んでいただきありがとうございました! (2020年7月2日 12時) (レス) id: 63b947b75a (このIDを非表示/違反報告)
LiSA(プロフ) - 完結おめでとうございます〜!!とてもよかったです! (2020年7月1日 22時) (レス) id: dfc2066332 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハク | 作成日時:2020年6月10日 20時