第22話 ページ26
ージジジッ…
「おしっ、着いたぜ。俺らの“ホーム”に」
着いた場所は白く、そして四角い建物の“ホーム”。かつて、私が“#コンパス”の世界に来てから住んでいた家だ。
死神はドアの横にある端末に手をかざすと、ドアが開く。
「いいだろ？これ。大将が作ってくれたんだ。これならもし鍵を閉め忘れる事もねえからな」
死神はニヤッとオノマトペがつきそうなくらいマスクの口角を上げる。私の“相棒”はそこまで笑わないやつだったな…。
死神は私の頭を抱え、リビングルームに向かうが、そこには誰も居なかった。
「おーい大将…って、今はいねぇか。仕方ねえ、ちょっと待ってろよ」
死神は私の頭をソファに置き、何処かへ向かった。私は周りを見渡す。
やはり、どこも前と変わらない…てか消されて半年近く。そこまで変わらないか。
今はアイツ以外居ないのか、人の気配があまりしない。どうにか逃げ出したいが、頭と首しかないし叫ぶことすら出来ない。私は仕方なく目をつぶっていると
ータッタッタ…ガリガリガリ…
何かを引きずりながら歩く音が聞こえる。
ああ、前にも聞いた音だ。
ーガチャっ
そして扉の音を開く音が聞こえる。
「…誰モいナい……何アの頭」
この声は双挽乃保か。
ここの“ホーム”の乃保は“普通”のより性格が落ち着いているが、バトルになるといつものあの戦闘狂にはなる。
「Aだ…あ、もしかシテ頭だけダから動かナイのかな」
乃保は私の頭を持ちながら頭をくるくる回される。やめろ、酔う酔う。
「今まデ何処ニ行ってタノ…早ク、アリーナに一緒ニ行キたい」
ごめん、私は今の身体…それにもう行かないかもしれない。
その約束はできないな。
ーガチャ
「おまたせぇ…っておい乃保。相棒の頭返しやがれ、今から“身体”付けるんだよ」
「…あ…まァいいか。マた後でネ。A」
死神は私の頭を乃保から取り、リビングルームから出た。
ーーー
「大将は居なかったが…まあ、くっつけるだけだからな」
死神はとある部屋に入る。そこは“私”の部屋だ。
ああ…嫌に懐かしい。
真ん中にしかないベットに木の机と椅子。
そして必要最低限の家具。
“私”が居た部屋だ。
そしてベットには中に何かが入っている布団があった。
死神は掛け布団を取ると、そこには“私”の身体があったのだ。
ボロボロのセーラー服に、切れた布の隙間から見える傷。そして頭のない上半身。
“私”はどれだけ抵抗し、そして“いきたい”と思ったのだろうか。
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から傘(プロフ) - この作品すごく好みでした、次の話も期待しています!! (2020年3月14日 4時) (
レス) id: 3a0b2e4785 (このIDを非表示/違反報告)
青蛇(プロフ) - 旅人さん» ありがとうございます。自分的にも気に入っている世界観なのでコレからもお楽しみくださいませ (2019年2月6日 20時) (レス) id: c680f9d767 (このIDを非表示/違反報告)
青蛇(プロフ) - ペンギン太郎さん» ありがとうございます。唯一バグが無いキャラなので性格を少し濃いめ？にしました。アダムも出てくる予定はあるのでお楽しみ下さいませ (2019年2月6日 20時) (レス) id: c680f9d767 (このIDを非表示/違反報告)
旅人(プロフ) - とても楽しく拝見させていただいてます！あまり見ないストーリーと(元からではありますが)個性豊かで魅力的なキャラ達に心奪われました… 尊すぎる 無理のないよう、更新頑張ってください！ (2019年2月6日 20時) (レス) id: 42db0291b9 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン太郎(プロフ) - ここのアダムが変態っぽくてすごく好き…応援してます！無理しない程度に頑張ってください！ (2019年2月6日 7時) (レス) id: a451b06430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青蛇 | 作成日時：2018年11月8日 21時
