第13話 ページ15
「新入りか？お前は」
『えっと新入り…うん、新入り？他の奴らもいるけど…てかアンタ白いな』
「ああ…私は“雪のバグ”を持っている。私は冬にしか動けない」
よく見ると、服のデザインが少し違っていた。首にはマフラー。あの服のヒラヒラの部分はファーになっていた。
「“お前達”が来る前から私はここに居る。
その記録に私の名が書いてあるのがその頃から居た頃の時代だ」
私は先ほどのページをめくり返す。
『この記録からみると…数年前から…ずっとここで？』
「ああ、私は冬にしか“データ”…身体が生成されなくてな。他の季節は何故かこの丘に眠らされる」
『そっかー…あ、ところで私今から屋敷に戻るんだけどアンタは屋敷には行かないの？』
「行くに決まっているだろう。ここで日常的に過ごせると思うか？」
『すんません、今すぐ行こう寒いわ』
ルチアーノが私の腕を掴むと、掴まれたところが凄く冷えた。
アダムと同じくらい冷たいんじゃないかと思うぐらいの冷たさを持っていた。
『めっちゃ冷たいじゃん。これ元の体温？』
「いや、普通に冷えただけだ。温まれば普通の体温に戻る。“雪”のバグの影響は身体の生成方法と攻撃が少し変わっただけだ」
『紛らわしいな！』
ルチアーノの頭を叩くと、雪の結晶が少し舞った。
ーーー
私達は歩きながら話をしていた。
「あのバツマークは“バグに侵され、消滅した”印だ」
『バグ…って今私達が持っている方の？』
「いや、“イレギュラー”のだ」
ルチアーノは歩みを止め、立ち止まる。
「イレギュラーとの接触時間が長いと“イレギュラーのバグ”に感染され、そしてデータごと消滅する。
イレギュラー自体の力は強い個体は少なく、弱い個体ばかりだが感染力はある。
しかし、たまにその感染を克服し、“新たなバグ”を持ち、進化した奴もいた」
『新たなバグ…』
そういえばこの前“無くなった部位を治す”機能が付いた。という事は私も感染し、克服し、そして“新たなバグ”を持ったのか。
「しかし感染力はそこまで強くなく、消えるのは数年に一度あるか無いかだった。まるで寿命の様に…な」
『…でも、なんでアンタはまだ長く生きてんの？』
「私は先ほど言った様に、冬にしか生成されない。冬の時期は“イレギュラー”の力がより弱く、そして感染力も弱まっている。だからまだ生きている」
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から傘(プロフ) - この作品すごく好みでした、次の話も期待しています!! (2020年3月14日 4時) (
レス) id: 3a0b2e4785 (このIDを非表示/違反報告)
青蛇(プロフ) - 旅人さん» ありがとうございます。自分的にも気に入っている世界観なのでコレからもお楽しみくださいませ (2019年2月6日 20時) (レス) id: c680f9d767 (このIDを非表示/違反報告)
青蛇(プロフ) - ペンギン太郎さん» ありがとうございます。唯一バグが無いキャラなので性格を少し濃いめ？にしました。アダムも出てくる予定はあるのでお楽しみ下さいませ (2019年2月6日 20時) (レス) id: c680f9d767 (このIDを非表示/違反報告)
旅人(プロフ) - とても楽しく拝見させていただいてます！あまり見ないストーリーと(元からではありますが)個性豊かで魅力的なキャラ達に心奪われました… 尊すぎる 無理のないよう、更新頑張ってください！ (2019年2月6日 20時) (レス) id: 42db0291b9 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン太郎(プロフ) - ここのアダムが変態っぽくてすごく好き…応援してます！無理しない程度に頑張ってください！ (2019年2月6日 7時) (レス) id: a451b06430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青蛇 | 作成日時：2018年11月8日 21時
