天才ボカロPの正体はJK 3【歌い手】【シェアハウス】

127話 ページ33

目の前が真っ暗になりそうだった





いやもしかしたらなっていたのかもしれない








私を庇って蒼は...刺された









『っ！！蒼...！！？蒼！！！！』






s「A...大...丈夫？」





『私は大丈夫だけど...蒼、血が...』







雨と混じって流れていく血は止まらない







s「よかっ...た」






そう言い残して意識を手放した





浅川くんは震えてその場にしゃがみこんでいる




焦点の合わない瞳で空を見つめている








雨も相まってどんどん冷えていく蒼の体



傷口をハンカチで抑えながら泣き叫んだ





『蒼！！！！蒼ってば！！！


起きてよ...起きてよ！！！！』






激しく響く慟哭に気づいたのか、



ま「家の前で何してるんですか...って、A！？



え、これは何...蒼？蒼！？」





まふくんもこの事態に混乱している




起きて、と肩を揺さぶるが応答なし






ま「坂田！あと、救急車！」






家の中に助けを呼びに戻ってからこの空間には私たちだけとなった





今私の頭を占めているのは蒼のことだけ





浅川くんへの怒りなんかどうだって良かった






蒼...蒼...私のせいで...









いよいよ本当に目の前が真っ暗になって蒼の傷口を抑えていた手は力なく落ちた

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