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「今年はろうそく型のLEDライトを使用します。」
戴帽式当日となり
学生より早くホールに集合した教員たちで
今日一日のスケジュールを確認した。
「LED…」
ろうそく型のLEDライトなんてあるんだ
今の子たちは羨ましいな。
血圧計だってそうだ
私が学生の頃は水銀血圧計だったのに今はデジタル化しているし
当たり前だけれど医学は道具も進歩していくんだなと
妙に感心してしまった。
「戴帽式が終わればすぐに実習です、
学生以上に気を引き締めてくださいね。」
もうすぐそこに迫ってきている実習に
教員の立場になっても変な動悸が襲ってくる。
キリキリと痛む胃を撫でつつ返答を返すと
自分の持ち場へとゆっくり歩いて行った。
「われは此処に集いたる人々の前に厳かに神に誓わん。」
学生が持つLEDライトのろうそくだけが
ホール内を照らすその光景は圧巻で
既に泣きそうになっている自分がいる。
一生懸命覚えたであろうナイチンゲール誓詞を読み上げる姿は
やはり涙を誘う場面で、ここがスタートなのに
もうゴールみたいな雰囲気が漂っていた。
「…っう。」
「渡辺先生、声押さえてください。」
隣で号泣している渡辺先生にハンカチを渡すと
盛大に鼻をかまれてしまった。
なんだかんだ言っても学生思いなんだから
その姿は正直言って可愛い。
私の時の様な惨状は勿論なく
スムーズに式は進み、無事に終えることができた。
ナースキャップを被った白衣姿の学生たちは
中庭に集まって両親や友達との写真撮影大会が始まった。
「写真撮ろー！！」
鈴蘭の花が胸ポケットに咲いている佐久間くんが
満面の笑みで私の所へ駆け寄って来た。
ここに来るまでの気苦労は多かったけれど
この姿を見ることができた今、そんなものは吹き飛んでいった。
「担当、Aちゃんだった！」
「みんなで頑張ろうね。」
「俺、実践だけは得意だから期待してて！」
自信ありげに自分の胸を叩く佐久間くんに
期待してるよと言うと、彼はニヤリと口角を上げた。
雲一つない青空の下、
学生達と教員全員が一か所に集まり
カメラマンの男性に支持されるがままに全員笑みを浮かべる。
「ここからが戦いなんだよな…」
学生にとっても教員にとっても、実習は過酷な戦地だ。
最初の頃にあった見学体験とは違い、直に患者と接するし
看護技術やケアだって実施する。
誰も潰れませんように、ただそう願うばかりだった。
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ぱぐたろう(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！読んでくださって嬉しいです！ここから後半戦に入りますので、ゆっくりにはなりますが最後までよろしくお願いします🙇♀️ (2022年10月21日 19時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 最新話がなんか切なくて泣いちゃいました(;_;) 毎回更新して下さるの嬉しいです(><) 無理の無い程度に更新頑張ってください、！ (2022年10月17日 23時) (レス) @page40 id: 4d27a85535 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - aggyさん» はじめまして！コメントありがとうございます🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです！最後まで頑張ります！ (2022年9月24日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。わかりみが深すぎるお話で続きが気になります！どうなっていくのか楽しみにしてます！ (2022年9月24日 10時) (レス) id: f3f23b79cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年9月23日 18時
