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丸椅子に座らされて、何をするのかと思えば
者取りかと突っ込みたくなるほどに薬品棚を雑に漁り
しばらくして見つけ出した消毒液と大判の絆創膏を持って来た。
何だかんだで面倒見がよく繊細な人だから
消毒液をつけて絆創膏を貼るだけの作業に表情は真剣そのもので
つい出来心で痛がるふりをすれば、案の定慌て始めた。
「大丈夫か！？」
ぐっと顔を近づけて来て
唇同士がつきそうになり慌てて離れた。
それが気に食わなかったのか、さっきとは打って変わって
雑に絆創膏を貼ると、その上から軽く手のひらで叩かれた。
「いだっ！」
「嘘つく方が悪い。」
渡辺先生は何処からか丸椅子をもう一つ持って来て
私と向かい合うように座ると腕を組んで貧乏ゆすりをし始めた。
特に何かを話すでもなく時間だけが過ぎていき
そんな中でようやく口を開いたのはむこうだった。
「佐久間のバイト先知ってんの？」
「一応？」
「じゃあ行くぞ。」
何を考えているのか、再び私の手を握り
医務室を出て自分たちの私物を取りに戻ると
そのまま最寄りの駅にタイミングよく停車していた電車に乗り込んだ。
「バイト先ってBarかよ」
「一年生といっても渡辺先生と同い年ですから
一応問題はないんですけどね。」
同室の村上くんから教えてもらった佐久間くんのバイト先は
銀座にある何とも洒落た外観のBarで
そこはかとなく漂う夜のお店の雰囲気に飲まれそうになりつつも
まだ開店前の店の中に入っていった。
「あれ、お客さんすいません
まだお店開いてないんですよ。」
フワフワとした口調の色白な男性が
頭を掻きながら私達を軽くあしらおうとする中
渡辺先生はそれを気にすることなく店内に入っていき
スタッフルームと書かれた部屋の扉を勢いよく開けた。
「ちょ、お客さん何！？」
「佐久間表出ろ。」
慌てて駆け寄ってくる店員さんをまた無視して
どすの効いた声で名前を呼ぶ渡辺先生。
中を覗くと弁当を食べている佐久間くんがいて
どうしてここにいるんだとでも言いたげに目を丸くし固まる彼を
渡辺先生は店側に引きずり出して放り投げた。
「なにすんの！」
「こっちのセリフだ、
お前、Aの事怪我させといてよくバイト出れたな。」
「え、怪我！？」
こんな渡辺先生見たことない
当然佐久間くんも目が飛び出そうなほどに見開き固まっていて
店内は物々しい雰囲気が流れていた。
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ぱぐたろう(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！読んでくださって嬉しいです！ここから後半戦に入りますので、ゆっくりにはなりますが最後までよろしくお願いします🙇♀️ (2022年10月21日 19時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 最新話がなんか切なくて泣いちゃいました(;_;) 毎回更新して下さるの嬉しいです(><) 無理の無い程度に更新頑張ってください、！ (2022年10月17日 23時) (レス) @page40 id: 4d27a85535 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - aggyさん» はじめまして！コメントありがとうございます🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです！最後まで頑張ります！ (2022年9月24日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。わかりみが深すぎるお話で続きが気になります！どうなっていくのか楽しみにしてます！ (2022年9月24日 10時) (レス) id: f3f23b79cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年9月23日 18時
