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「…お前、一段と顔色悪いな。」
大学の中庭にあるベンチで弁当を食べていると
渡辺先生がドカッと隣に座った。
相変わらずのデリカシーのない言葉に
今日は言い返せる気力もなく涙目で先生に視線を送った。
「え、なに…大丈夫？」
「前代未聞な事が起きるかもしれません。」
一度弁当を隣に置いて、ファイルから一枚の紙を取り出すと
他に誰もいないのを確認して渡辺先生に渡した。
「…五点？！」
「静かにしてくださいよ！」
渡辺先生に渡したのは小テストのコピーで
お局教員が顔を真っ赤にして私に押し付けてきたものだ。
初めて見る衝撃的な点数に唖然としつつも
その隣に書かれた名前を見て、不覚にも納得してしまった。
「佐久間ってマジで馬鹿なんだ。」
力試しと称して行われた小テストだから
赤点なんてものはないのだけれど
いくら何でも酷過ぎるこの点数に
お局教員があれだけ怒るのも無理はない。
「大学始まって以来、初の留年者か。」
「そんな縁起でもないこと言わないでください
私がみてる学生の中で留年者なんて出させません。」
「勝算あんの？」
そう聞き返されてしまえば、自信をもってはいとは言えない。
疲れすぎて働かない頭では解決策を導き出せず
両手で顔を覆いながら俯き溜息をついた。
「こればっかりは佐久間のやる気次第だろ。」
「まずはバイトをもう少し減らせないかって打診から…」
「この成績でバイトしてんのかよ！」
私が見る限り、放課後のほとんどをバイトに費やしている。
同じ寮生の向井くんいわく勉強してる姿を見たことがないらしいし
休みの日は夕方まで寝ているらしいから
その生活を改善させるところから始めなきゃいけない。
「看護学生としての自覚を持たせるようにって…」
「あのお局に言われたんだ。」
「そんな感じです。」
渡辺先生は憐みの目を私に向けつつ
手に持っていたサンドイッチを口いっぱいに頬張って
うわっ、という美味しいのか不味いのかわからないリアクションをとると
見るからに苦そうな青汁を流し込んだ。
「まあ、俺からも言っといてやるから
あんま悲観し過ぎて自分の事追い詰めんなよ。」
私の性格をわかっているからこその助言に
曖昧な返事を返して再び弁当に手を伸ばした。
考えたくはないけれど、初の留年生が本当に出てしまうかもしれない
教員になってから初めての状況に頭はいっぱいいっぱいだ。
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ぱぐたろう(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！読んでくださって嬉しいです！ここから後半戦に入りますので、ゆっくりにはなりますが最後までよろしくお願いします🙇♀️ (2022年10月21日 19時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 最新話がなんか切なくて泣いちゃいました(;_;) 毎回更新して下さるの嬉しいです(><) 無理の無い程度に更新頑張ってください、！ (2022年10月17日 23時) (レス) @page40 id: 4d27a85535 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - aggyさん» はじめまして！コメントありがとうございます🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです！最後まで頑張ります！ (2022年9月24日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。わかりみが深すぎるお話で続きが気になります！どうなっていくのか楽しみにしてます！ (2022年9月24日 10時) (レス) id: f3f23b79cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年9月23日 18時
