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「でもさ、それって
 立ち入り禁止区域に入った事も言わなきゃいけないわけでしょ?」





大介先輩の言葉で、時が止まったような感覚に陥る。

確かにそうだ
警察に行けば見つけた場所を教えなければいけないわけで
つまりそれはあの場所に行ったことを話さなければならない。






「偏見なのはわかってるけど
 こういう田舎って掟破りとかよそ者に厳しいイメージだし
 罰金で済めばいいけどさ…その、」





「何ですか?」





「あそこに立ち入ったら呪われるんだろ?
 もし警察からこのことが村に知れ渡ったら
 俺ら、危ないかも。」






大介先輩はあの巻物を広げて
まだ読めていなかった最後の方の文章を指さす。
宝石がちりばめられた骸骨のイラストとともに書かれていた言葉に
私は目黒先輩と顔を見合わせた。





«欲を持ち掘り返し者、下に降りて町に厄をもたらす
 闇に包まれる前に排除し元あるべき場所に戻せ»





「元あるべき場所が、
 俺らが骸骨を掘り起こしたところだったとしたらさ」





「…。」





「あの骸骨って、俺らと同じように宝を掘り起こしに来て
 それに気づいた町の人たちが埋めたんじゃ…」





重いぐらいに大介先輩の言葉が響いて
時計の針が動く音がどんどん大きくなっていく。
こんなのB級ホラーでしか聞いたことない
いざ自分の身に降りかかると
こんなにも血の気が引く思いをするんだ。





「警察っていったってここの人間だろ?
 正直に話して俺らが無事な保証ある?」





「それは、でも…」





「こんなこと言っちゃいけないんだろうけど
 もう亡くなってる人で見殺しにするわけじゃないし
 自分たちの身の安全が確保できてから通報した方がよくない?」




先輩の言う通りだ、
目黒先輩は納得していないようだけれど
骸骨を前に身の危険を感じてしまったわけで
あの白骨遺体には申し訳ないけれど今は言うべきではないと思い
私は静かに深く頷いた。



















「とにかく今は俺達四人だけの、」





そう大介先輩が言いかけた時、
古びたインターホンの音が室内に響いて
大きく肩を跳ねあがらせた。





時刻は今、夜の11時
こんな時間に来る訪問者なんて怪しさは満点で
無意識に目黒先輩の服を掴むと
優しく右手で私の左手を包み込んでくれた。




「俺出てくるよ。」






大介先輩は私たちに笑みを浮かべると立ち上がり
足早に玄関へと向かって行った。

・→←第一章 貴方は誰



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ぱぐたろう(プロフ) - そふらさん» 読んでいただきありがとうございます🤍そう言っていただけて嬉しいです!折り返し地点まで来ていよいよ最終章が近づいていますので、最後まで御付き合いいただければ嬉しいです🙇‍♀️ (2022年9月4日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - なぁたさん» 前編読んでいただきありがとうございます🙇‍♀️暑さが吹っ飛ぶような内容になっていればと思います(肌寒くなってきましたが笑)楽しんでいただけて嬉しいです🤍最後までよろしくお願いします! (2022年9月4日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
そふら(プロフ) - 更新ありがとうございます!続きが気になって頻繁にチェックしてしまう程面白くて最高な作品です!大変だと思いますが更新楽しみにしてます! (2022年9月3日 2時) (レス) id: 8614b66f6c (このIDを非表示/違反報告)
なぁた(プロフ) - 作品更新嬉しいです!今回更新分の内容ずっと、うそでしょ、まって、こわい、しんどい状態でした。ドキドキさせてくれてありがとうございます。また楽しみに待ってます☺️ (2022年9月3日 2時) (レス) @page45 id: bf7a073558 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぐたろう | 作成日時:2022年8月11日 19時

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