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第四章 滑った ページ30

_Meguro side_





「暑い…何だこれ。」





異常な暑さで目が覚めた。
雨戸を締め切って真っ暗な部屋
身動きができないほどの体の重さに
タイマー設定でクーラーが停止しているとはいえ
この熱気は何だ。




「なんか、」





なんだこのデジャブ感は
何とか腕を伸ばして枕元のスマホを手に取り
ライトを起動して自分の背後を照らした。




「はぁ、翔太くんいい加減にしてよ。」





翔太くんが抱き着いていた。
Aちゃんに下心があったわけではなく
ただ単に怖かったのか寝相が悪かったのか
とにかく昨日の言い訳は本当だったらしい。




容赦なく引き剝がして雨戸を開け
換気をするために窓を開けた。





外は雨が降っていて空気が冷たい。
風向き的に部屋の中へ雨水が入ってくることはなさそうだし
このまま少しだけ窓を開けておこう。







「翔太くん起きて、
 佐久間くんのこと病院に連れて行くんだから。」




「あと5分…」





「50分の間違いでしょ、ほら起きて。」





寝起きの悪い翔太くんと格闘してはや15分
ようやく布団から出てきた姿を確認できたかと思えば
窓の外は風も雨もかなり激しくなっていた。




「ぶえっ!!
 なんで窓開いてんだよ!!」




「やべっ、」





窓が開いていることを知らなかった翔太くんは
家の中へ入ってきた大量の雨水をダイレクトに受け
陸にいるのに溺れていた。




慌てて窓を閉めたけれど翔太くんはびしょ濡れで
文句を言いながら何度もくしゃみを繰り返した。





「翔太くんまで風邪引いたらシャレにならないんで
 さっさとシャワー入って服着替えて来て下さい。」





「お前が悪いんだろうが!」





翔太くんって、陽キャなのに不憫という言葉が似合うんだよな。
こんなこと言ったらきっと
小型犬のようにキャンキャン文句を浴びせてきそうだから
無理やり背中を押して浴室まで連れて行った。





「おーい、誰かいる?」







外からそんな声が聞こえて
急いで玄関に向かい引き戸を開けた。
そこには雨合羽を着た深澤さんがいて
暴風に煽られよろける姿に、慌てて中へ入るよう促した。

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ぱぐたろう(プロフ) - そふらさん» 読んでいただきありがとうございます🤍そう言っていただけて嬉しいです!折り返し地点まで来ていよいよ最終章が近づいていますので、最後まで御付き合いいただければ嬉しいです🙇‍♀️ (2022年9月4日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - なぁたさん» 前編読んでいただきありがとうございます🙇‍♀️暑さが吹っ飛ぶような内容になっていればと思います(肌寒くなってきましたが笑)楽しんでいただけて嬉しいです🤍最後までよろしくお願いします! (2022年9月4日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
そふら(プロフ) - 更新ありがとうございます!続きが気になって頻繁にチェックしてしまう程面白くて最高な作品です!大変だと思いますが更新楽しみにしてます! (2022年9月3日 2時) (レス) id: 8614b66f6c (このIDを非表示/違反報告)
なぁた(プロフ) - 作品更新嬉しいです!今回更新分の内容ずっと、うそでしょ、まって、こわい、しんどい状態でした。ドキドキさせてくれてありがとうございます。また楽しみに待ってます☺️ (2022年9月3日 2時) (レス) @page45 id: bf7a073558 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぐたろう | 作成日時:2022年8月11日 19時

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