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「それは俺以外の誰かに相談した?」





「まだ、怖くて。」





黙っておこうとみんなで決めたのに
この町の住人に相談をしてしまったことに罪悪感はあって
昼間の事で、全員があの場所に行ったことはバレているから
せめて白骨遺体を見つけたのは自分だけだという事にした。





「今日も言ったけど、
 高齢の人は呪いの事を信じてる。」





「…、」





「もしかすると、最悪の場合
 Aちゃんが考えてる通りかもしれない。
 俺達が知らない所で
 町の人たちが何か行動を起こしてるのかもしれない。」






こんな話をして動揺しないわけもなく
ラウくんは深刻な表情で、途切れ途切れに話す。
この町に住んでる人がそう言うんだ
やっぱりあの白骨遺体は、考えるだけで背筋が凍る。





「俺以外に言っちゃ駄目だよ。」




「え?」





「絶対、こっちで何とかするから。」






遠回しに言っているけれど
あそこに立ち入ったことがもしバレたら
殺されるかもしれないという事で
そんな危険をラウくんにも背負わせるなんてとんでもない。




でも私の勝手で、もうすでに彼を巻き込んでいるわけだし
正直私たちだけでは解決策を導き出せないだろう。




「Aちゃんは気にしなくていいよ。」




「でも、」




「これは町の問題だよ。
 ここで生まれ育った人間が残していった負の遺産だから
 外から来たAちゃんは気にしなくていい、
 見なかったことにしていいから。」





確か役所に勤めていたと言っていたし
町の事に関して責任感があるようだ。
かといって、やっぱりラウくんだけに任せるのは違う
私にだってその負の遺産を何とかする手伝いぐらいはできるはずだ。





「見つけたのは私だし、
 知らなかったことにはできないよ。」






「…わかった、じゃあ二人で考えよう
 でも約束してほしい
 絶対に誰にも言わないで、ここにいる間はそばに居て
 一番はAちゃんの安全だよ。」





指切りのポーズを取るラウくんに
ぎこちなく自分の小指を差し出すと
絡めとるように巻き付け引き寄せてきた。





「町の人は任せて
 もし呪いが本当にあるなら、俺が取っ払ってあげるよ。」







人を好きになるってこんなにも簡単で
そこから抜け出すのはこんなにも難しいのか。




目の前で指切りをしながら微笑むラウくんに
間違いなく私は恋に落ちていて
こんな状況なのに、一緒に居られるこの空間が幸せだった。

第四章 滑った→←・



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ぱぐたろう(プロフ) - そふらさん» 読んでいただきありがとうございます🤍そう言っていただけて嬉しいです!折り返し地点まで来ていよいよ最終章が近づいていますので、最後まで御付き合いいただければ嬉しいです🙇‍♀️ (2022年9月4日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - なぁたさん» 前編読んでいただきありがとうございます🙇‍♀️暑さが吹っ飛ぶような内容になっていればと思います(肌寒くなってきましたが笑)楽しんでいただけて嬉しいです🤍最後までよろしくお願いします! (2022年9月4日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
そふら(プロフ) - 更新ありがとうございます!続きが気になって頻繁にチェックしてしまう程面白くて最高な作品です!大変だと思いますが更新楽しみにしてます! (2022年9月3日 2時) (レス) id: 8614b66f6c (このIDを非表示/違反報告)
なぁた(プロフ) - 作品更新嬉しいです!今回更新分の内容ずっと、うそでしょ、まって、こわい、しんどい状態でした。ドキドキさせてくれてありがとうございます。また楽しみに待ってます☺️ (2022年9月3日 2時) (レス) @page45 id: bf7a073558 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぐたろう | 作成日時:2022年8月11日 19時

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