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「Aちゃんは翔太くんがいる部屋にいて。」
「わ、私も」
後に続こうとする目黒先輩の手を掴んで
恐る恐る玄関へと二人で向かった。
大介先輩は深呼吸をひとつしてから
引き戸に手をかけゆっくり開けていく。
恐怖を感じつつも外にいる訪問者を待ち構えていると
POLICEと書かれた制服に身を包む男性と長身の男性が立っていた。
「こんな時間にすいません
この村の交番に勤務してる、深澤辰哉っていいます。」
制服を着た方の男性が見せる警察手帳は恐らく本物のようで
さっき話し合っていたこともあり全員で顔を見合わせる。
そんな私達を見て彼は頭を掻きながら呑気に笑うと
手に持っていた大きな懐中電灯の明かりを消して帽子を取った。
「別に怒りに来たわけじゃないよ！？
今日東京から来た若い子たちって君らでしょ？」
「多分…」
「やっぱり、ここら辺でピンク頭なんていないし
外から来た人がいたらすぐ広まんのよ。」
第二ボタンまで開いたワイシャツに
目にかかりそうな前髪、ピアスは二連
警察とは思えない緩さが、なんだか逆に怖い。
「今日さ、熊の目撃情報が出たから
窓閉めたりシャッター降ろしといてほしいんすよ。
一応夕方に町内放送したんだけどさ
ここの窓が全開だってラウールが教えてくれて。」
夕方は恐らく全員眠っていただろうから
放送は聞き逃してしまったんだろう。
これだけ山に囲まれているのだから
熊の一匹や二匹生息していてもおかしくはない。
どうやらうちの窓が開いていることに気づいてくれたのが
もう一人の男性らしく、私達は小さく頭を下げた。
「寝る所だったならごめんね！
あ、あとこの子とみんな同い年ぐらいだから
よかったら仲良くしてあげてよ。」
見た目で決めつけてしまったけれど
フレンドリーな優しい警察官で、少し罪悪感が芽生えた。
仲良くしてあげてと言われて断る理由もなく頷くと
ラウールと呼ばれていた男性は笑顔で深くお辞儀をした。
「じゃあ、ちゃんと戸締りして歯磨いて寝なよ！」
二人の背中を見届けると、私達は大きく溜息をつき玄関に座り込んだ。
ここに来てから10年分ぐらい寿命が縮んだはずだ
一日も経っていないのにもう帰りたい。
「呪いも怖いですけど
熊も怖いんで戸締り閉まりしましょうか。」
この重苦しい空気の中、最初に口を開いたのは目黒先輩で
私達は手分けして全ての雨戸を下ろした。
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ぱぐたろう(プロフ) - そふらさん» 読んでいただきありがとうございます🤍そう言っていただけて嬉しいです！折り返し地点まで来ていよいよ最終章が近づいていますので、最後まで御付き合いいただければ嬉しいです🙇♀️ (2022年9月4日 19時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - なぁたさん» 前編読んでいただきありがとうございます🙇♀️暑さが吹っ飛ぶような内容になっていればと思います(肌寒くなってきましたが笑)楽しんでいただけて嬉しいです🤍最後までよろしくお願いします！ (2022年9月4日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
そふら(プロフ) - 更新ありがとうございます！続きが気になって頻繁にチェックしてしまう程面白くて最高な作品です！大変だと思いますが更新楽しみにしてます！ (2022年9月3日 2時) (レス) id: 8614b66f6c (このIDを非表示/違反報告)
なぁた(プロフ) - 作品更新嬉しいです！今回更新分の内容ずっと、うそでしょ、まって、こわい、しんどい状態でした。ドキドキさせてくれてありがとうございます。また楽しみに待ってます☺️ (2022年9月3日 2時) (レス) @page45 id: bf7a073558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年8月11日 19時
