・ ページ37
・
「深澤さん、確かにすごくいい人だし
信頼してるしこんなこと思いたくないけど
結局はここの住人だし、警察の立場を利用して
俺達を見張ってるだけだとしたら…」
「でも、深澤さんに限ってそれは」
「絶対なんてないよ、
言いたくないけどラウール君だって…」
深澤さんを疑いたくない気持ちはあって
声を絞り出し蓮先輩に反論をしたけれど
返された言葉に息を飲んだ。
「とにかく、言ってしまったものはしょうがない。
他の町の人から何かアクションを起こされたわけでもないし
深澤さんがあの事を漏らした可能性は低いだろうから
これ以上は誰かに知られないようにしよう。」
「…わかった。」
「気が緩んでたとはいえごめん…。」
蓮先輩の提案に、
反論することなく翔太先輩は頷いた。
大介先輩も今までに見たことがないほど小さくなっていて
いつもの元気は何処へ行ってしまったのか
声を聞き取るのもやっとだった。
「Aちゃん、どうしたの？」
「いや、なんでも…
気温差と気圧のせいで体調がすぐれないのかもしれないです。」
咄嗟の嘘に自分でも驚いた。
私もラウくんに話してしまった事を
素直に話さなきゃいけないことはわかっている。
でもそれはできなかった、
彼を疑う事なんて、私にはできなかった。
「大丈夫？」
「今日は何もできないだろうし部屋でゆっくりしてます
すいません、失礼します。」
無理のある言い訳をした後
逃げるように部屋へ駆け込む。
スマホを確認したら、未だ圏外の表示が映し出されて
ラウくんに連絡を取ることもできない状況に肩を落とした。
正直に話したい気持ちがある反面
ラウくんを疑うことになるその行動は避けたい。
「なんでこんな時に限ってこんな天気なの…」
同じことが頭の中をぐるぐる回って
求めている答えは何一つ出てこない
相談できる相手もいなければ、他言できる内容でもない。
布団に潜って目を閉じてみるけれど
体調が悪いなんて嘘なのだから睡魔も来ない。
口を滑らしたも同然のあの日のことを消し去りたい
夏休みは家でゆっくり過ごせばよかった。
「…でも、ここに来なきゃラウくんとは会えなかったんだよね。」
面倒なことになったのは自分が原因なんだ、
何とかしてこの八方塞がりな状況を脱さないといけない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1363人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱぐたろう(プロフ) - そふらさん» 読んでいただきありがとうございます🤍そう言っていただけて嬉しいです！折り返し地点まで来ていよいよ最終章が近づいていますので、最後まで御付き合いいただければ嬉しいです🙇♀️ (2022年9月4日 19時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - なぁたさん» 前編読んでいただきありがとうございます🙇♀️暑さが吹っ飛ぶような内容になっていればと思います(肌寒くなってきましたが笑)楽しんでいただけて嬉しいです🤍最後までよろしくお願いします！ (2022年9月4日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
そふら(プロフ) - 更新ありがとうございます！続きが気になって頻繁にチェックしてしまう程面白くて最高な作品です！大変だと思いますが更新楽しみにしてます！ (2022年9月3日 2時) (レス) id: 8614b66f6c (このIDを非表示/違反報告)
なぁた(プロフ) - 作品更新嬉しいです！今回更新分の内容ずっと、うそでしょ、まって、こわい、しんどい状態でした。ドキドキさせてくれてありがとうございます。また楽しみに待ってます☺️ (2022年9月3日 2時) (レス) @page45 id: bf7a073558 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年8月11日 19時
