第四章 青ネギ ページ23
＿Fukazawa side＿
「しょぼくれてんね。」
食堂で一人昼食を摂っていると
佐久間が隣にドカッと腰かけた。
いつもなら言い返すところだけれど
こればっかりは図星で何も言えない。
「まさかAがあんな強行突破し遂げるなんてね！」
「佐久間も知ってんのかよ。」
「だってさ、ああは言ったけど心配じゃん？
俺ら同期三人だけなんだし
田舎のおっさんに嫁いで会社辞めちゃうとか嫌だもん。」
それは俺だって同じだ。
入社してからずっと三人励まし合って頑張ってきた
嬉しい記憶にはいつもこいつらがいて
なくてはならない存在になっている。
「心配なんだ。」
「そりゃそうだろ、
相手は俺も知ってるやつだけど
一緒に住むって…。」
あんなの冗談だと思ってた、
もしくは焦りがピークを達したがゆえに言い放っただけで
次の日には冷静になって解決策を考えるものだと思ってた。
だけどAは本当に行動に移した。
しかも最初に話を持ち掛けてきた俺ではなく
仕事上でしか関わりがないと言っていたやつと。
「ふっかの場合心配だけじゃないでしょ？」
「…なんていうか
いつも最終的には俺らに頼ってくるだろ？
まあ最初に相談はしてきたけど
頼ったのはそんなに親しくない仕事相手で、しかも事後報告じゃん。」
「可愛い嫉妬しちゃって。」
ニヤニヤしながら俺をいじってくる佐久間にイラっときて
皿の上にでかでかと盛られている肉に箸を持っていき
勢いよく刺すとそのまま自分の口に頬り込んだ。
「酷い！」
「よそ見してるからだろ。」
「図星つかれたからって八つ当たりしないでよ。」
佐久間は寂しくないのか
俺はAから話を聞いた時、少しショックだったのに。
とにかく一つ屋根の下で男と二人暮らし
同期というより友達に近い存在なんだから
心配するのは当たり前だ。
「まあ転職だったり寿退社だったりで
残った同期は俺ら三人
これ以上減ったら寂しいよね。」
「減るって、ただ婚約者のふりしてもらってるだけだろ？
それに仕事大好き人間のAが辞めるわけない。」
「わかんないよ？
嘘から始まる恋、ド定番じゃん！」
なんて言われてしまえば、妙に納得してしまう。
別にそれはそれでめでたいのだけれど
何だか腑に落ちなくて心にモヤが掛かる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2005人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ありがとうございます🙇♀️深澤さんまさかの気づいてなかったという😳笑 いよいよ折り返し地点で後編がスタートしますが最後まで楽しんでいただければ嬉しいです💛 (2022年6月24日 18時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - ざわ絶対好きだろうなと思ったら鈍感でかわいかったです🥰わら そして照さんご両親にまさかのカミングアウトでこれからの展開がより楽しみです！更新楽しみにしてます☺ (2022年6月16日 20時) (レス) @page38 id: 6205cccaf8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» いつもありがとうございます🙇♀️今回も波乱の予感満載ですが最後までお付き合いいただければ嬉しいです💛 (2022年6月6日 21時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - mrkt2601さん» いつも読んでくださってありがとうございます🙇♀️今回のお話も最後まで楽しんでいただけるように頑張ります！ (2022年6月6日 21時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - お疲れ様です(*^^*)新作ありがとうございます！契約結婚や偽装系からの同棲のようなお話大好きなので一段と気になります☺️今回のお相手は岩本さん✨どうなるのか楽しませて頂きます！！ (2022年6月5日 18時) (レス) @page7 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年6月4日 20時
