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朝からハプニングや試練だらけだったけれど
後半は凄く楽しくて
いつの間にか照さんともラフな感じで話せるようになっていた。





たった一日で仲って深まるものなんだな
なんて呑気に考えながらお店を回っていると
気が付けば両手は袋で塞がっていて
そしてさらには隣にいたはずの照さんがいなくなっている。





「え、どうしよう…」





辺りを見渡しても人ばかり
照さんは背が高いからすぐに見つかるかと思っていたけれど
全く見当たらなくて視界が潤んでくる。




いい歳してこんなことで泣きそうになるなんて
そう思っても熱い何かが込み上げてくる。







「Aさん!」





その場から動けなくなって立ち止まっていたら
後ろから私を呼ぶ声がして
ゆっくりと振り返ると、息を切らした照さんの姿が見えた。




「いた、」




「ごめん見失って。」





急いで駆け寄ってきた照さんは
眉をこれでもかというぐらい下げて私の頭を撫でる。
ふいに涙が零れて、慌てて拭ったけれど
ばっちり見られてしまって視線を逸らした。




「やっぱり、」




「え?」





「靴擦れ、気づいた時に聞けばよかった。」





少し我慢してと断りを入れて
私の手を引き端の方に避け、人ごみを離れた。
靴を脱ぐよう言われて素直に従うと
思いのほか酷かったようで靴にまで血がしみ込んでいた。





「やっちゃった…」




「ごめん、泣くぐらい痛かったんだな。」





さっきの涙が痛みからくるものだと思ったようで
鞄から絆創膏を取り出し処置をしてくれる。

勘違いしてくれてよかった
不安になって泣いたなんて、恥ずかしくて言えない。







「一人にしないでって言ってくれてたのに」




「見つけてくれただけで、嬉しいから。」




「もう一人にはしないから。」





たった一言で安心できてしまうのは
仲良くなれた証なのだろうか。





もう落ちないであろう血の跡に肩を落として
スニーカーの踵部分を踏んで立ち上がる。
照さんはそんな私を見かねて体を支えてくれて
何とか車を止めている所まで来ることができた。





「迷惑かけてばかりだったけど、凄く楽しかった。」





「ならよかった、また開催されたら行こう。」




「その時はちゃんと履きなれた靴で行くね。」





今日はいい日になった
照さんにとっても、そうであったらいいな。

第四章 青ネギ→←・



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ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ありがとうございます🙇‍♀️深澤さんまさかの気づいてなかったという😳笑 いよいよ折り返し地点で後編がスタートしますが最後まで楽しんでいただければ嬉しいです💛 (2022年6月24日 18時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - ざわ絶対好きだろうなと思ったら鈍感でかわいかったです🥰わら そして照さんご両親にまさかのカミングアウトでこれからの展開がより楽しみです!更新楽しみにしてます☺ (2022年6月16日 20時) (レス) @page38 id: 6205cccaf8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» いつもありがとうございます🙇‍♀️今回も波乱の予感満載ですが最後までお付き合いいただければ嬉しいです💛 (2022年6月6日 21時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - mrkt2601さん» いつも読んでくださってありがとうございます🙇‍♀️今回のお話も最後まで楽しんでいただけるように頑張ります! (2022年6月6日 21時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - お疲れ様です(*^^*)新作ありがとうございます!契約結婚や偽装系からの同棲のようなお話大好きなので一段と気になります☺️今回のお相手は岩本さん✨どうなるのか楽しませて頂きます!! (2022年6月5日 18時) (レス) @page7 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぐたろう | 作成日時:2022年6月4日 20時

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