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「もう一回聞いていい？」
「どうぞ。」
「あんた本当に婚約破棄したの？」
「そうだけど？」
会社に着きぼやけた過去の記憶から
何とか自分のデスクを思い出し腰かけた。
何年もパソコンを触っていなかったこともあり不安だったけれど
案外仕事を始めてみれば感覚は戻ってくるもので
心配する必要はなかったようだ。
「あんた結婚しないの…？」
「しないよ、
報告する前で良かったわ。」
「いや全く理解できない。」
同期の薫は
信じられないとでも言いたげな顔で私を見つめる。
無理もないかと流しながらも昼食を摂っていると
薫の視線が私の頭上へと向かっていき
何かと思い後ろを振り向くと上司が立っていた。
「食事中に申し訳ないけど、ちょっといい？」
翔太との未来を変えたのだから
社会人としての私の未来が変わったっておかしくない。
何かミスでもあったのかと内心びくびくしながら会議室へ入ると
そこには懐かしい人の姿があった。
「深澤さん！」
「よ、久しぶり。」
深澤さんは新人の時に教育係を担当してくれていた人で
教育期間が終わったタイミングで千葉の支店へ異動してしまった。
それ以来会っていなかったから
実質四年ぶりの再会に感極まった。
「こっち戻ってくるんですか？」
「いや、ほぼ栄転みたいなもんだから。」
「残念です。」
「そう言ってくれるなら話は早いかも。」
へらっと笑う深澤さんに首を傾げると
ゆっくり立ち上がって私の肩を優しく掴んだ。
「これはあくまで俺の希望だから
断ってくれても構わないんだけど
千葉に来て一緒に働かない？」
「え？」
社会人二年目で異動なんて考えていなかったから
驚きで変な声が出てしまう。
これは飛ばされたという事なのだろうか
何も言わずに固まっていると、上司の笑い声が響いた。
「お前が考えているようなことじゃないよ
引き抜きみたいなもん。」
「引き抜き？」
上司から再び深澤さんに目を向けると
優しい笑みをこちらに向けていた。
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山西 陽朔 - 素晴らしい小説ですね!次回作は、南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏できることを物語にするのはどうでしょうか。 (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります☺️ (2022年4月21日 20時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» お久しぶりです🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです、後々明らかになっていくので最後まで御付き合い頂ければ嬉しいです！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - さんたさん» ただいまです！！またこれからよろしくお願いします🙇♀️ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ただいま戻りました！過去作読み直していただけて嬉しいです☺️またよろしくお願い致します！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年4月3日 19時
