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「ねえってばぁ
俺だけ何も知らないとかやなんだけど！
それに事情知らないと協力もできないし！」
「その気持ちはありがたいけど
とても親族以外に話せる内容じゃない
理由が情けなさ過ぎて。」
言いたいことをそのまま涼太が代弁してくれて
俺達二人は顔を上げることなく項垂れる。
母親いわく最初から仲が悪かったわけではないらしいけど
俺が物心ついた時にはすでに今の状態だった。
「翔太の親父、今どんな感じ？」
「涼太の親父が入って来ても反抗できないようにって
中庭にキリストの銅像立てかけてる。」
「罰当たりな…」
涼太が呆れるのも無理はない。
俺だってあのハゲだこが銅像を設置しているところを見て
いくら何でも正気の沙汰じゃないと思った。
このまま話し合いが進まないと
胸を張ってAに会えないし
浮気疑惑を晴らすこともできない。
「今はそっとしといたほうがいいかもな。」
「そうだけど…
早く話付けないとAちゃんが、」
「涼太が気にすることじゃねえよ。」
何てかっこつけてみるけど
内心滅茶苦茶焦っているのが本音で
顔を上げるとポケットの中から煙草を取り出した。
「ファミレスは全席禁煙になったよ。」
「わーってるよ、ちょっと吸ってくる。」
外に出て小さな禁煙スペースに置かれたベンチに腰掛けると
煙草に火をつけて空へ上がっていく煙を見つめた。
今のこの現状も、俺の抱えている問題も
全部この煙みたいに空へ打ちあがってくれたらいいのに
なんて馬鹿げたことを考えるぐらいに
俺の精神状態は不安定になっているようだ。
「普通の家に生まれたかった。」
そしたらこんなことにもならなかったのに。
俺はただ、Aと幸せな家庭を作りたかった
それなのに今、俺は拒否されている。
考えれば嫌われる要素はごまんとある。
デートに袈裟姿で行ったりとか
プレゼントで魔除け効果のあるお揃いの数珠をあげたり
俺と付き合いだしてから怪奇現象が増えたとも言ってた。
でもAは全部笑って流していた。
翔太らしいねって言って俺の手を握る彼女に
俺はいくつの我慢を強いていたんだろうか。
「なんで気づかねえかな俺…。」
幸せになれない、あの言葉が
最近頭の中を駆け巡って眠れない。
だって事実なのだから
何も言い返せないし言い訳なんてできない。
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山西 陽朔 - 素晴らしい小説ですね!次回作は、南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏できることを物語にするのはどうでしょうか。 (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります☺️ (2022年4月21日 20時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» お久しぶりです🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです、後々明らかになっていくので最後まで御付き合い頂ければ嬉しいです！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - さんたさん» ただいまです！！またこれからよろしくお願いします🙇♀️ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ただいま戻りました！過去作読み直していただけて嬉しいです☺️またよろしくお願い致します！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年4月3日 19時
