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「それは…仕方ないんじゃないかな。」
「え？」
ずっと黙っていた薫は口を開くと
ビールを飲み干してジョッキをテーブルに置いた。
私を見つめているはずのその目は
どこか遠くを見ているようで違和感を覚えた。
「Aが好きになったのは
過去の彼じゃん？」
「過去…。」
「出会った時、告白された時
プロポーズされた時…その時々の彼は好きだった。
でも一緒に過ごせば人は変わる
Aが好きだった時の彼はもういないんだよ、きっと。」
吐き捨てるようにそう呟いた薫は
相変わらず焦点が合っていないような気がして
何故か私の頭にはモヤが掛かっていく。
「変わった、のかな。」
「Aだって変わったんじゃない？
私は会社入ってからの姿しか知らないけどさ
変わらない人間なんていないよ。」
変わらない人間なんていない、
確かにそうなのかもしれない。
翔太の事ばかり責めていたけれど
私にも悪かったところはあるのかもしれない。
「なんか冷静になったかも。」
「生意気なこと言ってごめん、
でもさっきより表情が明るくなってよかった。」
「薫は大人だね、
私なんて自分で選んだ道なのにグダグダして
今みたいに言ってもらえないとわかんないなんてさ。」
正直意地になっていたところはあった。
全部翔太のせいにして全否定して
よく考えてみればわかることなのに
失敗を恐れて周りが見えていなかったのかもしれない。
「薫はどうなの？」
「え、私はいいよ…」
「だって薫の恋愛話聞いたことないし。」
元々、薫は自分の事を多く語る性格ではなかった。
相談するのはいつも私の方からだったし
仕事の面で意見をぶつけ合ったりすることはあったけれど
恋愛面に関しては全く知らないし男の影も見当たらなかった。
「彼氏いるとかそういうのも知らないし。」
「それが、うーん…いるんだけど」
薫は照れたように口角を上げて少し顔を俯かせて
それなのに何処か憂いを帯びているような表情を浮かべていた。
どう見ても訳ありなその反応で
自分の話ばかり聞いてもらっていたことに反省をした。
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山西 陽朔 - 素晴らしい小説ですね!次回作は、南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏できることを物語にするのはどうでしょうか。 (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります☺️ (2022年4月21日 20時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» お久しぶりです🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです、後々明らかになっていくので最後まで御付き合い頂ければ嬉しいです！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - さんたさん» ただいまです！！またこれからよろしくお願いします🙇♀️ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ただいま戻りました！過去作読み直していただけて嬉しいです☺️またよろしくお願い致します！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年4月3日 19時
