・ ページ36
＿Watanabe side＿
「え！？
翔太が服着てる！！」
「ばか！
服は毎日着てたわ！」
家に来るなり目を丸くして
語弊が生まれるようなことを言い出す佐久間に
いつも通り言い返すけれど、今日は気恥ずかしい。
白いTシャツにジーパン
ただそれだけのシンプルな格好なのに
こういう服を着るのは久々で
なんだか裸を見られているのと同じくらい恥ずかしい。
「翔太の私服初めて見たかも…」
「まあ、普段は法衣だし
寝るときは作務衣だからな。」
「作務衣って作業着じゃないの？」
「そうだけど
あれ地味に寝心地いいんだよ。」
涼太に怒られてから思い返してみれば
Aと初めて会った時も、プロポーズした時も
会社に迎えに行くときなんかも全部法衣姿で
それが嫌われてしまった原因の一つなのかもしれない。
「うん、それがいいよ
Aちゃんたまに顔引きつってたし。」
「だよな…やっぱそうだよなぁ…」
「デートもあの格好だったんでしょ？
俺だったら即刻別れてるわ。」
「じゃあそれ早く言えよ！」
ケラケラと笑う佐久間に馬乗りになると
脇の下に手を入れて指先を細かく動かす。
佐久間の甲高い笑い声が部屋中に響くと
後ろから頭を叩かれ痛みに悶えた。
後頭部を抱えながら振り向くと
親父が鬼の形相でこちらを見下ろしていた。
「なんだよ親父！
馬鹿になったらどうすんだよ！」
「もう馬鹿だからプラマイゼロだ！
そんなことより仏像の前でそんなことするなと
何度言ったらわかるんだバカタレ！！」
そんな言い合いを繰り広げる中
佐久間は笑い過ぎて疲れたのか寝転んだまま肩で息をしていて
誰も止める人のいない今
親子喧嘩はヒートアップしていく。
「親子で喧嘩なんて見苦しいな。」
聞き覚えのある声が聞こえて
お互い胸ぐらを掴んでいた手を下げる。
嫌な予感しかしないが中庭の方へ目を向けると
スータン姿の涼太の親父が馬鹿にしたような笑みを浮かべていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2232人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山西 陽朔 - 素晴らしい小説ですね!次回作は、南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏できることを物語にするのはどうでしょうか。 (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります☺️ (2022年4月21日 20時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» お久しぶりです🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです、後々明らかになっていくので最後まで御付き合い頂ければ嬉しいです！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - さんたさん» ただいまです！！またこれからよろしくお願いします🙇♀️ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ただいま戻りました！過去作読み直していただけて嬉しいです☺️またよろしくお願い致します！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年4月3日 19時
