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＿Fukazawa side＿
「あれは相当手強いな、
ふっかが奥手になってた理由がよく分かった。」
お手洗いに行くふりをして
少し風にあたるために店の中庭へ出てみれば
後から照もやってきて、二人並んでベンチに腰かけた。
Aちゃんが婚約破棄したことは知っていたけれど
彼女の恋愛観を知るのは初めてで
始まる前に終わってしまった、というのが現状だ。
「今の距離感が一番幸せなのかもなぁ…」
「ふっかにしては弱気だな。」
「恋しないって宣言してたし。」
次付き合う子は結婚を前提、
そう考えるようになってから遊ぶ頻度も徐々に減って
来るもの拒まずだった恋愛観もがらりと変わり
いつの間にか結婚相手どころか
仕事以外で女性と関わることもなくなっていった。
そんな時に出会ったのがAちゃんで
直感的にこの子だって、初めてそう思えた子だった。
「そんな簡単に諦められんの？」
「一回失恋して諦めてたからね。」
彼女の事を知っていく日々の中で
突如現れた法衣姿の不審者。
あの格好には似つかわない茶髪パーマにピアス
ギャグかと突っ込みたくなるあいつは誰かと問えば
婚約者だと耳を赤くして答えるAちゃんはとても綺麗だった。
「別れたって本人から聞いた時
まだチャンスはあるって思ったけど
どうやら勝ち目はゼロだよ。」
「Aちゃん、頑固になってるだけだと思うけどなぁ。」
「仮にそうだとしても、本人の心の内聞いたうえで
結婚を前提に付き合ってくれって言う男
選ばれると思う？」
そう言うと照は苦笑いを浮かべた。
やっぱり誰が聞いてもこの恋は撃沈
無駄なあがきだったというわけだ。
そうはわかっていても諦めきれないのが俺の悪いところで
失恋がこんなに苦しいものだとは思わなかった。
「じゃあ今の立場利用すればいいじゃん。」
「ん？」
「よき先輩、よき理解者、頼りになる相談役。
誰よりもそばに居られる優良物件。」
照は立ち上がって夜空を見上げながら呟くと
大きく伸びをして息を吐き出した。
「Aちゃん、まだ22歳なんだよ？
人間歳を重ねれば考えも変わる
結婚適齢期って呼ばれる年齢になれば思う所もあるかも。」
「そんなもんかな？」
「そこで今まで培った信頼関係を一気に押し出す
そしたら選んでもらえるかも…？」
照は企むような笑みを見せると
俺の肩をポンと叩いて二人の元へ戻っていった。
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山西 陽朔 - 素晴らしい小説ですね!次回作は、南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏できることを物語にするのはどうでしょうか。 (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります☺️ (2022年4月21日 20時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» お久しぶりです🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです、後々明らかになっていくので最後まで御付き合い頂ければ嬉しいです！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - さんたさん» ただいまです！！またこれからよろしくお願いします🙇♀️ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ただいま戻りました！過去作読み直していただけて嬉しいです☺️またよろしくお願い致します！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年4月3日 19時
