・ ページ30
＿Fukazawa side＿
「あれ歓迎会って名目だったの？
ふっかにしては奥手じゃん。」
「照まで何言ってんだよ、聞こえるだろうが！」
あっという間にやって来た金曜日、
柄にもなく浮足立って出社すれば
笑顔を通り越してニヤついている優香が駆け寄ってきて
何を言い出すかと思えばAちゃんの事でテンパってしまう。
軽く押し問答を続けていたら
事情を知っている照まで参戦してきて、今にも泡を吹いて倒れそうになる。
「正直に言った方が楽になるよ。」
優香の言葉に視線を逸らすと、Aちゃんはデスクに居なくて
もう降参するしかないと腹をくくった。
「てか何でそんな仲良くなってんの。」
「先週の金曜日ね、息子の誕生日だったんだけど
仕事でミスがあって残業しなきゃいけなくなって、
でもAちゃんが私の様子が変だったからって声かけてくれて
事情話したら仕事変わってくれたの。」
理由を聞いた時、言いずらそうにしていた理由が
何となくわかって体の力が抜ける。
Aちゃんらしいと言えばそうだけど
そういう事ならなおさら手伝ったのにと後悔が募る。
「でもあれ後輩の分じゃなかったっけ？」
「え、何で知ってんの？
後輩が普段しないミス連発しちゃって。」
「なるほどね。」
照はすべてを察したようすで頭を掻く、
俺も何となくこの事態の原因がわかって溜息をついた。
きっとAちゃんも何かしらでそのことに気づいたんだろう。
彼女の性格からして、本当の事を言って俺が注意を促したとして
後輩から目をつけられて面倒なことになるのを避けたかったとか
恐らくそういう理由だろう。
「そういう事なら協力してあげる。
詰んでるみたいだし？」
「否めないねぇ。」
「やっぱり先輩としてしか見られてない感じ？」
「Aちゃんは…、いやなんでもない。」
何それと俺を問い詰める優香と照をあしらって
それぞれの持ち場へ戻り仕事を再開する。
婚約破棄なんてセンシティブな話題
本人の許可なく言えるわけがない。
「俺ってそんなにわかりやすいかな。」
照にも優香にも好意がバレていた。
それは別に隠すことでもないし堂々としてればいいのだけれど
問題は肝心の本人には全く気付かれていないという事だ。
「もしくは、気づかないふりしてるのか。」
だとしたらその考えを変えてもらわないと、
今回ばかりは本気なんだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2232人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山西 陽朔 - 素晴らしい小説ですね!次回作は、南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏できることを物語にするのはどうでしょうか。 (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります☺️ (2022年4月21日 20時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» お久しぶりです🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです、後々明らかになっていくので最後まで御付き合い頂ければ嬉しいです！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - さんたさん» ただいまです！！またこれからよろしくお願いします🙇♀️ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ただいま戻りました！過去作読み直していただけて嬉しいです☺️またよろしくお願い致します！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年4月3日 19時
