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「嬉しかったよ。」
「え？」
「会社以外でのAちゃんの事知れて。
あの店だって普通に行けるし
そんな気に病まなくてていいよ。」
僧侶の嫁になって四年が経つけれど
実はこれまでの人生、仏や神の存在を信じていなかった
でも目の前にいる深澤さんは、仏の様な笑みを浮かべている。
「まさに地獄で仏に会ったよう…」
「ん？仏？」
また深澤さんに迷惑をかけてしまった、
もはやどうお詫びすれば帳消しになるか思いつかない。
きっと今の私は百面相どころではないほどに表情筋を動かしている
その証拠に深澤さんは私の顔を見て
口に手を添えて笑いを必死に堪えている。
「どうお詫びすれば、って考えてるでしょ。」
「心読まないでくださいよ…」
「本当に気にしてないからさ。
あ、じゃあ今度の金曜日に歓迎会リベンジしよ
もし残業になりそうなら言って、今度は手伝うから。」
翔太よりよっぽど僧侶に向いてる気がする、
なんてまた無意識に比べてしまっている自分に喝を入れようと
軽く両手で頬を叩いて小さく頷いた。
「多分この時間だとどこのお店も混んでるだろうし
今日はなんか買ってお互い家に戻ろっか。」
「本当にすいません、私が」
「あ、今日は俺が出すからね
もうこれ以上Aちゃんにはお財布出させません。」
先手を打たれてしまった。
社内でよく深澤さんの話で色めきだつ女性陣をよく見かけるけれど
こんな風に誰に対しても女の子扱いをしているんだろうな。
「じゃあ行こっか。」
深澤さんは何を思ったかさりげなく私の右手を握り
歩幅を合わせてゆっくり歩き始めた。
こうやってみんな沼にハマっていくのか
20代前半の私だったらコロッといっていたかもしれない。
「あの、異性にこういう事しちゃうと
勘違いされちゃいますよ？」
「てことはAちゃん、意識してくれたってこと？」
深澤さんはかなり手馴れている様子だ。
翔太もあんな感じだけれど顔はいいから
付き合っていた時も結婚してからも言い寄ってくる人はいた
深澤さんは顔の良さとTPOと女性の扱いを兼ね備えているのだから
きっとえげつないモテ方をしてきたんだろうな。
「Aちゃんも、」
「私？」
「そういう可愛い顔男に見せちゃうと
勘違いされちゃうよ、俺みたいなやつに。」
「お、俺みたい！？」
さっきから手に平で転がされている気がする。
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山西 陽朔 - 素晴らしい小説ですね!次回作は、南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏できることを物語にするのはどうでしょうか。 (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります☺️ (2022年4月21日 20時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» お久しぶりです🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです、後々明らかになっていくので最後まで御付き合い頂ければ嬉しいです！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - さんたさん» ただいまです！！またこれからよろしくお願いします🙇♀️ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ただいま戻りました！過去作読み直していただけて嬉しいです☺️またよろしくお願い致します！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年4月3日 19時
