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「なにするかバカ息子！」
「大体お前のせいで
こんなややこしいことになってんだからな！？」
「お前ってなんだ親父に向かって！
大体何で俺のせいなんだよ！」
答えの代わりに腕に力を入れると
モブキャラが死ぬときのような声と同時に
畳みを手のひらで叩く音が聞こえた。
「ああもう…とにかくほっといてくれよ。」
腕を解いて再び大の字に寝転べば
無茶苦茶になった法衣を直しながら親父は溜息をつく。
俺は他人の溜息を酸素に生きているのか
そう錯覚してしまう。
「こんなのが跡継ぎなんて恥だ、恥。」
「蛙の子は蛙って言いますけどね！」
「ああ！？」
佐久間が余計な油を注いで
禿親父の顔は赤く染まりまさに茹蛸状態。
そんな様子を横目にスマホを起動させるけれど
案の定Aからの返事も既読もつかない。
「とにかくそのだらしない体制はやめろ！」
「ああ？
俺は今座禅中だから。」
「それのどこか座禅なんだ！」
「姿勢の指定なんてねえだろ！
心だよ、ハート！」
噴火寸前の親父とビビっている佐久間を放置して
庭にある大きな桜の木の下へ向かう。
Aが好きだと言ってたこの桜、
二人が出会った時も満開の桜が咲いていた。
何処でこうなってしまったのか
佐久間の言う通り俺は彼女に無理をさせていたんだろう。
「やっぱ言うしかねえかなぁ…。」
何度も言うけれど断じて浮気ではない
でもそれを説明することができない。
あの頑固おやじ共がもっと柔軟になってくれたら
でもそんな日は一生来ないんだろうと頭を抱える。
「A…。」
Aが寺に置いていった婚約指輪。
これを渡した時はあんなに幸せそうな笑みを浮かべていたのに
ここ最近は怒っている顔しか見ていない。
もうあの笑顔は見ることができないのか
そんな弱音がポロリとこぼれそうになる。
「いや、絶対あきらめない…
神に誓って俺はAともう一度やり直す！」
「神じゃなくて仏に誓えバカ息子！！」
そんな親父の怒鳴り声と
俺の肩を軽快に叩く警策の音
そして俺の甲高い悲鳴が庭に響き渡った。
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山西 陽朔 - 素晴らしい小説ですね!次回作は、南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏できることを物語にするのはどうでしょうか。 (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります☺️ (2022年4月21日 20時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» お久しぶりです🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです、後々明らかになっていくので最後まで御付き合い頂ければ嬉しいです！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - さんたさん» ただいまです！！またこれからよろしくお願いします🙇♀️ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ただいま戻りました！過去作読み直していただけて嬉しいです☺️またよろしくお願い致します！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年4月3日 19時
