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意識してしまっている証拠なのか
まだ先だと思った金曜日はあっという間に訪れて
かろうじて仕事はおろそかになっていないものの
そわそわして時計を何度も見てしまう。
「今日なんか予定あるの？」
「えっ、」
パソコンと睨めっこを続ける事、早二時間
背後からそんな声が聞こえて振り返ったけれど
その言葉は私に向けられたものではなかった。
「あ、大丈夫です。」
「そう？
ずっと時計気にしてたから。」
問いかけられていたのは隣の席の優香さんで
私と同様、時計とパソコン画面を目が何度も行き来していたようだ。
そう言われれば何処か落ち着きのない様子で
何か予定でもあるのかスマホを握り締めていた。
「すいません、仕事に集中します。」
「いやいや責めるつもりで言ったわけじゃないし
ちょっと心配になっただけだから。」
優香さんに声を掛けた上司は
不思議そうにしながらも自分のデスクへ戻っていった。
再び隣に視線を向けると
優香さんは忙しなく仕事の続きを始めていて
そんなに慌ただしくするほど業務内容あったかと疑問に思いつつ
頭の中をリセットして自分のやることに没頭した。
「終わった…」
予定がると仕事ははかどるもので
定時よりも早い時間にやることすべてを終えた。
顔を上げて深澤さんのデスクの方を見ると
向こうもひと段落はついている様子だった。
「帰る前に珈琲でも飲もうかな。」
パソコンの電源を切って立ち上がる。
隣に視線を下ろすと、机の上がかなり荒れていて
仕事の早いイメージのある優香さんにしては珍しい。
「なんかミスでもしたのかな…？」
そうは思いつつも
ここに異動してきたばかりであまり話したことのない
ましてや先輩にあたる優香さんに
そんな野暮なことを聞けるはずもなく
気になりつつも給湯室へ足を進めた。
「マジムカつく。」
「ホントだよね。」
ああ、嫌なタイミングで来てしまったようで
給湯室の前に到着すると
中から女性二人のそんなセリフが飛び込んできた。
「独身だからってなんで子持ちの尻拭いなんか。」
「子供が熱出しただのケガしただので早退してさ
同じ給料なのに何でこっちの仕事量増やされるわけ？」
「ホントそれ、
謝ればいいって思ってんのかな？
早く仕事辞めろっての。」
体が固まってその場から動けなくて
甲高い笑い声が響く給湯室の前で
ただじっと二人の会話の内容を聞くことしかできない。
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山西 陽朔 - 素晴らしい小説ですね!次回作は、南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏できることを物語にするのはどうでしょうか。 (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります☺️ (2022年4月21日 20時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» お久しぶりです🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです、後々明らかになっていくので最後まで御付き合い頂ければ嬉しいです！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - さんたさん» ただいまです！！またこれからよろしくお願いします🙇♀️ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ただいま戻りました！過去作読み直していただけて嬉しいです☺️またよろしくお願い致します！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年4月3日 19時
