第二章 新たな出会い ページ13
＿you side＿
「仕事、慣れた？」
その問いに大きく頷けば
深澤さんはよかったと呟いて私の向かいの席に腰を下ろした。
少しお洒落な食堂でパスタを食べる深澤さんは
何だか様になっていて、ついつい綺麗な手を目で追ってしまう。
私も今の体ではハリを保てている方だと思うけれど
結婚してからはケアなんてしてる暇もなく手荒れしていたから
心底その綺麗な手が羨ましい。
「そんなに見られると照れんだけど。」
「え、あ、すいません。」
「彼氏に怒られちゃうよ〜？」
そういえば深澤さんは翔太の事を知っていたんだ。
前に一度、私を会社に迎えに来た翔太が
服装があれなだけに警備員に止められて
不機嫌になっていた所をなだめてくれていたことがある。
「それは心配ないです。」
「嫉妬しないタイプなんだ。」
「別れたので嫉妬される筋合いないです。」
サラッと流すように呟いてハンバーグを食べれば
向かいから水を吹き出す音が聞こえた。
視線を上にあげて深澤さんの顔を見ると
咳き込みながら口を押えていた。
「え、はい？」
「婚約破棄ってやつですね。」
「もしかして俺がこっちに誘っちゃったから？」
「この話を貰った前日には別れてたので関係ないです、
そもそも結婚するならお断りしますよ。」
納得したような、何処か腑に落ちないような
処理しきれていないようで表情をコロコロ変える深澤さんに
固い笑みを送って再びランチに視線を戻した。
「そっか、えっと…ごめん。」
「なんせお恥ずかしい話なんで
自分から言う事でもないなって黙ってたのは私ですから。」
気まずそうに私を覗き込む深澤さんに
苦笑いを浮かべて肩をすくめると
何かを考えるように顎に手を当て斜め上を見上げていた。
「よし、じゃあ予定たてて飲みに行こう。」
「飲みに？」
「歓迎会やってないじゃん、
て言っても参加者俺だけなんだけど。」
子供みたいな笑みを浮かべる深澤さんに小さく頷くけど
心臓はバクバクと音を立てている。
私の人生の中で異性といえば翔太一択だったわけで
他の男性と二人で食事なんて初めてに近い。
「じゃあ今週の金曜日とかどうよ。」
「予定は、ないです。」
「じゃあ決まり！」
好きだとか、次の恋に進んでみようとか
そんな気持ちは一切ないはずなのに
目の前の笑顔に内心ときめいている自分がいた。
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山西 陽朔 - 素晴らしい小説ですね!次回作は、南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏できることを物語にするのはどうでしょうか。 (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります☺️ (2022年4月21日 20時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» お久しぶりです🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです、後々明らかになっていくので最後まで御付き合い頂ければ嬉しいです！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - さんたさん» ただいまです！！またこれからよろしくお願いします🙇♀️ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ただいま戻りました！過去作読み直していただけて嬉しいです☺️またよろしくお願い致します！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年4月3日 19時
