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「確認なんだけど
ほんっとうにあれ、お前のじいちゃんなんだよな？」
「失礼な
本年80歳、正真正銘生きてます。」
一安心したのか縁側で昼寝をする祖父を指さしながら
真顔でふざけたことを聞いてくる僧侶。
表情からして本気で怖かったのはわかるけれど
人の祖父を幽霊扱いするなんて非常識な坊さんだ。
「食べたら早く帰ってくださいね。」
「ええ、もっと話そうよ。」
身を乗り出して顔を近づけてくる彼は
よく見るとすごく顔が整っていて
吸い込まれるように彼の瞳を見つめていると
悪戯な笑みを浮かべて私の手を両手で包み込んできた。
「やばいわ。」
「はい？」
「一目惚れってやつ、
僧侶の嫁とか興味ない？」
何度も言うが、
出会った時からこいつは煩悩の塊だった。
でもそんな下心満載な僧侶に引っ掛かったのは
紛れもない事実で
何だかんだ交際はとんとん拍子に進み
短大の卒業式を迎えた日、私の運命は大きく変わった。
「えっと、なんで袈裟。」
「わりい、この後法事入ってんだわ。」
短大に現れた翔太は
まさかの法衣に袈裟を身にまとってフル装備で現れて
手には強烈な違和感を発しているバラの花束。
何処から突っ込めばいいのかわからなくて
周りの視線に耐えかねて腕を引っ張り
人気の少ない場所まで走った。
「忙しいなら無理してこなくても、」
「今日どうしても言いたかったんだよ。」
そう言って袖から取り出したのは
これまた似つかわしくない四角い箱で
これから法事だと言っていたのに地面に膝をつけると
私に向かって差し出した。
「神に誓って幸せにするから、結婚してください。」
「…そこは仏にしときなさいよ。」
しかもこのジュエリーブランド
ロゴに十字架入ってるし。
やっぱり彼はちぐはぐで、煩悩の塊だ。
「まあ、受けてやってもいいですけど。」
「マジ！？」
こんな感じで一生を誓ったのだけれど
これが人生において一番の後悔である。
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山西 陽朔 - 素晴らしい小説ですね!次回作は、南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏できることを物語にするのはどうでしょうか。 (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります☺️ (2022年4月21日 20時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» お久しぶりです🙇♀️そう言っていただけて嬉しいです、後々明らかになっていくので最後まで御付き合い頂ければ嬉しいです！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - さんたさん» ただいまです！！またこれからよろしくお願いします🙇♀️ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - かなさん» ただいま戻りました！過去作読み直していただけて嬉しいです☺️またよろしくお願い致します！ (2022年4月21日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年4月3日 19時
