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_you side_



「Aちゃんって好きな人いる?」



「…はい?」



目黒さんと二人、夜の見回りをしていたら
突然そんなことを言われて戸惑った。
なんてタイムリーな話をしてくるんだと
横にいる目黒さんを見上げると目が合って、ニコッと微笑んだ。



「俺、恋バナ好きなんだよね。」



「は、はあ…」



「Aちゃん可愛いし、彼氏とかいないのかなって。」



「…みんなして可愛いって、嘘ばっかり。」



お世辞で言うぐらいなら、何も言ってこないで欲しい
変な勘違いをして辛い思いをするのは私なのだから。



「誰に言われたの?」



「サマースクールに参加してる子供たちとか、
 …渡辺さんとか。」




渡辺さんの名前を口にした瞬間
この前のことが頭の中をぐるぐる回って顔が熱くなる。
あの好きはどういう意味だったんだろうか、
そんな答えの出ない疑問をずっと考えてしまう。



「子供ってお世辞とか考えないから
 結構素直なことしか言わないよ?
 特に低学年の子なんか思った事すぐ言うし。」



「…うーん、」



「…じゃあさ、俺とか子供たちに可愛いって言われて
 正直どう思った?」



「…お世辞がうまいなって、」



遠慮がちに答えると正直だと笑われて
そうしろと言ったのは目黒さんだろうと不貞腐れてみる。
これが素直な思いなのだから仕方ない
褒められるとどうしてもマイナスな方へ考えてしまうのだから。



「じゃあ渡辺さんに言われた時は?」



すぐに答えることは出来なかった。
お世辞だと思ったのは確かだけど
それよりも先に違う思いが込み上げてきたからだ。



「…嬉しいって思いました。」



「もっと言って欲しいって思った?」



「…はい。」



何故かわからないけど、
渡辺さんの言葉は疑うことができない。
嘘をついているようには見えなくて
信じたいという気持ちが大きかった。



「それが答えじゃないかな?」



見回りが終わって自室に帰っても
目黒さんの言葉が頭の中を駆け巡る。
そんな中でも渡辺さんの笑顔が浮かんで
自分でもよくわからない感情に振り回されている。









「好き、」









無意識に溢れ出した言葉
きっとこれが素直な私の気持ちで
変えようのない事実だ。

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きらり(プロフ) - はじめまして。最初から全部読まさせていただきました…主人公よりはまだいい家庭で育っているはずなのに自分を重ねてしまい、最後は少し泣いてしまいました…笑 自分語り失礼しました…素敵なお話ありがとうございました!完結、お疲れ様でしたm(_ _)m (2021年9月19日 18時) (レス) id: 40fc5d5440 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぐたろう | 作成日時:2021年8月25日 19時

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