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「しんどくない？」
「大丈夫です。」
「そっか、」
昼食を食べ終わり再び歩き出した。
あんなに子供たちと走り回っていたのに
渡辺さんは涼しげな顔をして私を気遣ってくれる。
足を引っ張らないようにと大丈夫と言ったものの
少しだけ視界がふらついていて
渡辺さんは薄々気づいているようだった。
「今日はここで泊るからなー！
まずは汗いっぱいかいたやろうから大浴場行くで！」
何とか無事に宿泊施設へ到着すると
子供たちは一斉に大浴場へ駆け出していった。
空調の効いた施設内は快適で、眩暈も次第に収まり
何とか体調が悪化することは防げた。
「Aちゃんは女の子達のお風呂に見守り入ってもらえる？」
「わかりました。」
目黒さんの指示で女風呂へ向かい
主に小学校低学年の子たちのお風呂を見届けると
夕食を食べて部屋割りをして、あっという間にみんなは眠りについた。
「一日目お疲れさまでした！！
ほんなら後は各自お風呂入ったりご飯食べたり
好きに行動してくださいね。
見回り時間は振り分けてあるんで確認しといてください！」
向井さんの言葉でボランティア組の仕事も一旦終わり、
先にお風呂に入ってしまおうと大浴場へ向かった。
ボランティアで参加している女性は少なくて
かなり広い湯船は貸し切り状態だった。
「…誰もいないしいいよね」
昔からこういう温泉に行ってみたかった、
そして一度してみたいことがあった。
「…泳いじゃおっ、」
行儀が悪いしいい歳した大人がすることではないけど
一度でいいから泳いでみたかった。
子供の頃にたまに見せてもらえた好きなアニメの中で
温泉で泳いでいるシーンを見て謎に憧れを持っていた。
「あんまり泳ぐと明日に響くからほどほどにね！！」
隣の男風呂から大きな声でそう言われて
恥ずかしさのあまり湯船の中に潜った。
…壁の上の所に少し隙間が空いていることをすっかり忘れていた
女の子たちをお風呂に入れている時、
ちらほら男の子たちと壁越しに話していたのを今になって思いだす。
「佐久間、お前なぁ…！」
「うわっ、翔太ギブ！！」
どうやら声の主は佐久間さんだったようで
渡辺さんもその場にいるようだった。
恥ずかしい、今すぐ逃げ出したい
そんな一心で脱衣所へ向かおうとすると
泳ぎ過ぎたのか湯あたりしてしまったようで
一気に視界が暗くなって、背中から湯船にダイブしてしまった。
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きらり(プロフ) - はじめまして。最初から全部読まさせていただきました…主人公よりはまだいい家庭で育っているはずなのに自分を重ねてしまい、最後は少し泣いてしまいました…笑 自分語り失礼しました…素敵なお話ありがとうございました!完結、お疲れ様でしたm(_ _)m (2021年9月19日 18時) (
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月25日 19時
