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「そうだ、最後に報告があるんだけど。」
エントランスまで来てマンションを出ようとすると
辰くんの奥さんに引き留められた。
頭にハテナマークが浮かんだけれど
笑顔でお腹を擦る姿に、流石の私も察しがついた。
「え、あ、おめでとうございます！」
「安定期に入るまでは黙っておこうって決めてたの
すぐに教えなくてごめんね。」
「全然！おめでとうございます！
触っていいですか…？」
「どうぞ。」
震える右手でお腹に触れる。
ここに新しい命があると思うと感動が込み上げて来て
顔を上げると優しく微笑みながらお腹を見つめる奥さんがいた。
その表情は、とても愛おしそうで
感極まって涙がこぼれてしまった。
「マジか、」
「私もびっくりしちゃって。」
「お祝い考えとかないとな、
おお…いつかはと思ってたけど
実際知らされるとなんか感動するな。」
家に帰って早速報告すると
翔太さんは目を輝かせて食い入るように話を聞いていた。
まだ生まれるのは先だというのに
出産祝いで検索して、スマホとにらめっこを始めた。
「お腹触らせてもらったんですけど
感動しちゃって、泣いちゃって。」
「ふは、やっぱりAちゃんって子供好きなんだな。
サマースクールの時も目がビー玉みたいにキラキラしてたし。」
「自覚はないんですけど…そうなんですか？」
「うん、すっげえキラキラしてる。」
そう言う翔太さんも目が輝いていて
子供が好きな事はすぐにわかった。
「翔太さんは子供欲しいですか？」
「はぁ！？」
単純に思ったことを聞いてみると
翔太さんは顔を真っ赤にしてソファーから立ち上がった。
不味い質問だったかと頭をフル回転させていると
耳まで赤くしたまま座り直し、唇を尖らせた。
「ほ、ほしいけど…」
「えっと…あまり聞かれたくなかったですか？」
「…何でもない！」
完全に拗ねてしまったようで
クッションを抱きしめたままうつ伏せで寝転んでしまった。
もし私たちの間にも子供が生まれたら
なんてまだ見ぬ我が子と三人の未来を考えてみるけど
まだ先の事だからか全く想像できなくて
母親になった自分の姿なんて
まったくもってイメージできなかった。
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きらり(プロフ) - はじめまして。最初から全部読まさせていただきました…主人公よりはまだいい家庭で育っているはずなのに自分を重ねてしまい、最後は少し泣いてしまいました…笑 自分語り失礼しました…素敵なお話ありがとうございました!完結、お疲れ様でしたm(_ _)m (2021年9月19日 18時) (
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月25日 19時
