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「翔太。」
「翔太…さん？」
「…まあいいか、
時間もあれだし飯食おう。」
「じゃあ渡辺さんはゆっくりしててください…あ、」
同棲してからは、新しい発見の毎日で
知らなかったAちゃんの一面に気づくのと同時に
自分が今まで抱いていた理想は
案外あてにならないものだという事を実感した。
「あの、」
「なに」
「もう少し離れていただけないかなーと…」
「なんで」
人と生活なんて無理だと思っていた
酷い時には結婚したとしても別居婚なんて思っていたのに
少しでもAちゃんの帰りが遅いと恋しくなって
出来る限りくっついていたいと思っている自分に心底驚いて
心の拠り所になるつもりだったのに
いつの間にか立場が逆転してしまったようだ。
「わ…翔太さんは休み取れましたか？
17日の、辰くん達の結婚式の日。」
「もちろん。」
俺達の関係性や生活が変わったように
周りの環境もどんどん変化していった。
ふっかは俺とAちゃんの生活が落ち着いたのを見計らって
彼女に結婚の申し込みをした。
無事に受け入れてもらいトントン拍子に籍を入れて
結婚式まであと数か月というところまできていた。
「結婚なぁ…」
「何か言いましたか？」
「ん、なんもない。」
いつかは俺たちも、
なんてことを考えていると顔が熱くなって
隣で楽しそうに料理をするAちゃんにバレないよう
背中から抱き着いて肩に顔をうずくめた。
「私、結婚式なんて初めてで
分からないことだらけですけど…
凄く楽しみです！」
「そうだな、
服とか靴も階に行かないとだし
Aちゃんは美容院とかも予約しないとな。」
「出席する側も忙しいんですね。」
「でも楽しいだろ？」
Aちゃんは大きく頷いた。
確実に、ゆっくりではあるけれど
Aちゃんの笑顔が増えたような気がする。
見た目も健康的になったし
最近ネガティブな発言も少なくなってきた。
あと少し、あと少しで毒を抜ききることができるだろう。
その時が来たら俺は
Aちゃんに沢山の愛情を注ぎこもう。
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きらり(プロフ) - はじめまして。最初から全部読まさせていただきました…主人公よりはまだいい家庭で育っているはずなのに自分を重ねてしまい、最後は少し泣いてしまいました…笑 自分語り失礼しました…素敵なお話ありがとうございました!完結、お疲れ様でしたm(_ _)m (2021年9月19日 18時) (
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月25日 19時
