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「もっと自分に自信持てばいいのに。
仕事覚えもいいし
接客だって申し分ないし手際もいいし
まあその都度指示を聞きに来るのはどうかと思うけど。」
「すいません…。」
「そうやってすぐ俯くし
顔隠すの癖なの？」
街灯に照らされた帰り道を二人並んで歩いていると
意地悪で言っているわけではなく
本当に不思議そうにそう聞いてくるラウールさんに
苦笑いを浮かべて足元を見つめた。
「人様にお見せできる顔じゃないというか…」
「顔なんてついてるだけじゃん。
ましてや別に不細工なわけでもないのに
誰も何も思わないよ。」
「周りの人はそう言ってくれます
…でも、小さい頃から不細工だとか
何をやってもダメだって言い続けられてきたから
どうしても、信じられなくて。」
「ふーん、」
ラウールさんは深く聞いてくることもなく
軽い返事を返すと立ち止まった。
少し先で立ち止まって振り返ると
ラウールさんはじっと私の顔を見て首を傾げる。
知り合って間もない、ましてや年下にこんなことを言うのは
やっぱりまずかったかと俯くと
ラウールさんのローファーが視界に入って顔を上げた。
「なんで自分の事嫌ってるやつの言い分を聞き入れるの？」
「え…、」
「自分の事を好きでいてくれる人の言葉を信じないで
なんで自分を傷つけることばかり受け入れちゃうの？」
息が止まるような感覚に陥って
周りの動きがスローモーションに見える。
ただ黙ってラウールさんを見上げていると
私の目を捉えたまま話を続けた。
「自分の事嫌ってるやつの言う事うのみにして
そいつの言葉に振り回されて行動に移してるとさ
今の自分を好きでいてくれる人間からも嫌われるよ。」
「今の自分を、好きでいてくれる人…」
「深澤さんの事が好きだから言葉にして伝えてくれてるのに
傷つけてくる奴の言う事ばっかり聞いてたら
何でだよって思うでしょ。」
思い当たることは沢山あった、
渡辺さんから距離を置かれてしまったのは
これが原因だったんだ。
「全員から好かれるなんて無理だよ、
だったらありのままの自分を好きでいてくれる人を
大事にする方がよくない？」
「…はいっ、」
「え、何で泣くの！？
ごめん言い過ぎたか…泣き止んで？」
とめどなく溢れる涙を
ラウールさんが何度も拭ってくれるけど
止まることはなくて、しばらく動くことができなかった。
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きらり(プロフ) - はじめまして。最初から全部読まさせていただきました…主人公よりはまだいい家庭で育っているはずなのに自分を重ねてしまい、最後は少し泣いてしまいました…笑 自分語り失礼しました…素敵なお話ありがとうございました!完結、お疲れ様でしたm(_ _)m (2021年9月19日 18時) (
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月25日 19時
