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「不思議なところだね。」
「マスター曰く中世ヨーロッパの天体をモチーフにしてるらしい。」
「マスターって深澤さん？」
「そう、この店はあの人と岩本さんだけしかいない。」
壁に貼られた天体図を眺めるAちゃんの横顔は綺麗で
店内の雰囲気にのまれながらも目が離せなかった。
しばらく無言のまま向かい合っていると
トレイを両手に持った深澤さんがやって来た。
「はい、オムライスね〜
これサービスのジュース。」
「ありがとうございます！」
「これからきっと沢山会うだろうし
お近づきの印にね。」
深澤さんはそう言い残すと
カウンターに入ってグラスを磨き始めた。
美味しそうな匂いを身にまとったオムライスを口に入れると
絶品なのにどこか懐かしい味が広がって声が漏れる。
「うまっ！」
「佐久間うるさい。」
「ねえその呼び方やめない？
なんか遠く感じるって言うかさ〜」
「だって下の名前知らないもん。」
Aちゃんにそう言われて
ちゃんと自己紹介をしていないことに気づく。
口に残っていたオムライスを飲み込むと
ジュースを飲んで一息ついた。
「佐久間大介です、今年で29歳
仕事は映像関係だよ！」
「じゃあ佐久間って呼ぶね。」
「なんで！」
昨日持った印象とは違って
話してみると笑顔も多いしボケだって挟んでくる。
それなのにどうしてあんなことをしようとしたのか
その原因は、ブランケットに隠された足にあるのだろうか。
「ねえ、ドストレートに聞いてもいい？」
「…どうせ昨日の事でしょ
顔に書いてある。」
「え、嘘！」
オブラートに包むなんてことができない上に
顔に出やすい性格をしているから
Aちゃんにはすぐ見抜かれてしまった。
「私、両足が膝よりちょっと上までないの。」
「やっぱり義足なんだ。」
「生まれた時はあったんだけど
高校生の時に事故でさ。」
後天性だと受け入れるのに時間がかかると聞く、
Aちゃんの心の闇はそこから来ているのだろう。
自分から聞いておいて何も言うことができない自分に
心底嫌気がさした。
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ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» 読んでいただきありがとうございました！！書くこと自体迷っていたお話だったのですが、書いてよかったです。次も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ゆりあさん» ありがとうございました！凄く迷いながら時間をかけて書いたお話なので、そう言っていただけて凄く嬉しいです。 (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - こころさん» 読んでいただきありがとうございました！そう言っていただけて凄く嬉しいです！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて凄く嬉しいです。次回も頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 名前さん» ありがとうございました！受け取りての方によって違う感じ方を楽しんでいただければと思い書いてみました。次のお話も頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月10日 19時
