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「じゃあね、」
「送ってくよ！」
「今日はもう疲れたから
佐久間が考えてるようなことはしないよ。
じゃあね。」
Aちゃんはまた深澤さんに手伝ってもらって
出入り口の段差を乗り越え店を出て行く。
さっきの事で余計に気まずくなってしまったから
俺も帰ろうと席を立ちあがった。
「今度出す新作が完成したんだけど
素直な感想がききたいなーって。」
「いや…」
「Aちゃんのことも話したいし。」
厨房から岩本さんも出て来て
断るわけにもいかずカウンター席に腰を下ろした。
すると俺を挟むように二人も座って
何とも言えない空気が店内を駆け巡った。
「久しぶりに見たよ。」
「へ？」
「Aちゃんの、あんな穏やかな顔。」
深澤さんはそう呟くと
三人分のデザートを並べ、頬杖をついた。
岩本さんは何も言わず食べ始めて
俺はなんて返せばいいかわからずデザートを眺めた。
「今まで傷つけないようにって
足の事も水泳の事も極力避けてきたけど
佐久間くんの言う通り何の解決にもなってなかったね。」
「…腫れもの扱いされるのは嫌だって言ってました、
水泳も好きなことに変わりないって。」
「そっか。」
目の前に置かれた惑星の様なチョコレート、
火星モチーフの赤い球体を口に含むと
口いっぱいに甘酸っぱさが広まった。
「うまっ！」
「…あざっす。」
「岩本さんって何者…？」
ようやく声を出した岩本さんは
恥ずかしそうに頭を掻きチョコを食べ続ける。
本当に何者なんだろうか、なんて考えながら
今度は土星モチーフのチョコに手を伸ばすと
深澤さんが口を開いた。
「これからもよろしくね。」
「はあ…よかった！
俺絶対に深澤さんから嫌われたって思って！」
「自分の間違いを認められなかっただけ
大人げなくてごめんね〜
あと堅苦しいからふっかでいいよ。」
みんなAちゃんを思う気持ちは一緒
生きて欲しい、ただそれだけ。
この想いがいつか届けばいいなと願いながら
チョコレートを頬張った。
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ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» 読んでいただきありがとうございました！！書くこと自体迷っていたお話だったのですが、書いてよかったです。次も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ゆりあさん» ありがとうございました！凄く迷いながら時間をかけて書いたお話なので、そう言っていただけて凄く嬉しいです。 (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - こころさん» 読んでいただきありがとうございました！そう言っていただけて凄く嬉しいです！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて凄く嬉しいです。次回も頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 名前さん» ありがとうございました！受け取りての方によって違う感じ方を楽しんでいただければと思い書いてみました。次のお話も頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月10日 19時
