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＿Sakuma side＿
「なんで…」
「わからない、遺書もなかったし
あんなに笑顔だったのに
生きたいって言ってくれたのに…っ、」
Aちゃんの大きな目から涙が溢れ出て
舘さんは思いつめるように唇を噛みしめた。
結局自死を選んだ原因はわからないらしく
明るくなった彼が死を選ぶなんて誰も予想していなかったらしい。
「そこから、私もだんだんメンタルが不安定になって
予兆は沢山あったんだけど
ある日突然死にたいって思うようになって、」
「…。」
「お葬式にも行けなくて、そこから毎年命日になると
親御さんからこの封筒が送られてくるの。
中身は手紙と札束…受け取れないし読む勇気もなくて
毎回送り返すんだけどね。」
親御さんの気持ちもわからなくはないが
これじゃあAちゃんが前に進めない。
毎年この封筒が届くたびに記憶が蘇るだろうし
そのたびに自分を責めてきたんだろう。
「でも、佐久間見てたら
前に進まなきゃなって思って
でもやっぱり怖いから…。」
「そっか、
頼ってくれてありがとう。」
Aちゃんは一息つくと手紙を読み始め、
俺と舘さんはただその様子を見守っていた。
最初はスムーズに読んでいたけど
段々表情が険しくなっていって
便箋を握る手に力が入っていき、紙に跡がついた。
「そんな…っ、」
「Aちゃん？」
「そんなのあんまりだよ！！」
手紙を投げ捨ててうずくまるAちゃんの背中を
舘さんは優しく何度も擦って声をかけ続けている。
俺は悪いと思いつつも手紙に目を通すと
達筆な字がびっしりと並んでいた。
≪北斗の死は誰のせいでもありません、
精神疾患というのは簡単に治るものではなく
遅かれ早かれ、息子は死を選んでいたと思います。
私たちがいくら明るい場所へ引っ張ってきても
北斗にとっては何の意味もなかったんです。≫
「じゃあ…じゃあ私は何のために足を失ったの？
なんで私に好きだって、一緒に生きたいって
私がしてきたことは全部無駄だったの…っ？」
「Aちゃん、違うよ？」
出来るだけ刺激しないように優しく声をかけても
Aちゃんは取り乱したままで
結局その日は、舘さんに帰るように言われ家に戻った。
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ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» 読んでいただきありがとうございました！！書くこと自体迷っていたお話だったのですが、書いてよかったです。次も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ゆりあさん» ありがとうございました！凄く迷いながら時間をかけて書いたお話なので、そう言っていただけて凄く嬉しいです。 (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - こころさん» 読んでいただきありがとうございました！そう言っていただけて凄く嬉しいです！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて凄く嬉しいです。次回も頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 名前さん» ありがとうございました！受け取りての方によって違う感じ方を楽しんでいただければと思い書いてみました。次のお話も頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月10日 19時
