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「ここ、凄いですねなんか。」
「ああ、まあ紹介制だし
他のホストクラブとはちょっと違うかもな。」
「…翔太、さんはここの方々と少し雰囲気が違いますね。」
「ふはっ、よく言われる。」
かなりやんちゃそうではあるけれど
他のホストクラブよりも雰囲気が落ち着いていて
さっきまでの苦手意識が少し薄れてきた。
「あんた…ああえっと、名前なんだっけ。」
「深澤…Aです。」
「Aって男慣れしてないだろ？」
やっぱりわかりやすいのか、
そのせいで男の人から舐められがちなのが悩みでもある。
翔太さんは笑いながらマドラーでお酒を混ぜると
一口飲んでフルーツを頬張った。
「さっきから目合わないし
俺の名前呼ぶときぎこちないし。
のわりに既婚者の身で友達とホストクラブ行くなんて
大胆なのか臆病なのかよくわかんねえな。」
「なんで既婚者って…」
「指輪、してんじゃん。」
ハッとして左手に視線を落とすと指輪が輝いていて
もう5年近くつけ続けているからかすっかり忘れていた。
でもどんなに生理的に無理な相手でも
この指輪を外す気にはなれず右手で隠すように覆った。
「まあいいんじゃね、
一人の人間に一生誓うとか無理っしょ。
浮気なんてみんなやってる。」
「…そういうものなんでしょうか。」
「いくら完璧な奴と結婚したって
ほら、毎日高級フレンチ食べてたら
たまにはジャンクフードを欲して…って
は！？何泣いてんだよ…。」
翔太さんにそう言われて
慌てて手の甲で自分の頬に触れると
無意識に涙が溢れ出ていたことが分かった。
「すいません、雰囲気ぶち壊して」
「いや、別に…」
「私、旦那に浮気されて…っ、」
「された側だったんだ、マジか…
なんかごめん。」
翔太さんは申し訳なさそうに私の涙を拭うと
一生懸命励ましてきてくれて
それが逆に身に染みて涙が止まらなくなった。
やっと泣き止んだ時には一時間が経過していて
もうそろそろ終電の時間が迫ってきている所だった。
「ごめんなさい、
何も頼んでないし…お金払います。」
「別にいいよ、
そうせ美嘉から無理やり連れてこられたんだろ？
あんた押しに弱そうだし。」
翔太さんの優しさに
ホストを今まで偏見の目で見ていた自分を殴りたくなった。
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aggy(プロフ) - はじめまして！ぱぐたろうさんのお話を読ませて頂き、めっちゃハマって過去作品読ませてもらってました！めちゃくちゃ面白いです！個人的に何故かしょっぴーとのやり取りがツボでした。続編とほかの作品も読ませて頂きますね(^^) (2022年5月1日 18時) (
レス) @page43 id: b193afbce1 (このIDを非表示/違反報告)
綾音(プロフ) - はじめまして！電車の中で読んでしまって、苦しくて危うく大号泣してしまうところでした(笑)続編もしっかり読みます！！ (2021年7月16日 15時) (レス) id: e120810d5e (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ふさん» 頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年7月3日 21時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ひなこさん» ありがとうございます！とても嬉しいです！ (2021年7月3日 21時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 美桜さん» ありがとう！ええ！そんな夢を笑 (2021年7月3日 21時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年6月28日 18時
