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その後の授業は全然集中できなくて
先生に注意されてしまうほど上の空だった。
隣ではラウちゃんも何処か呆然としていて
結ちゃんは涙が止まらなくて、途中から保健室に行ってしまった。



「Aちゃんごめん、
 今日部活だから送れないや。」



「そっか、大丈夫。」



結ちゃんはそのまま早退してしまって
ラウちゃんも気まずいのか、
いつもは送ってくれてから部活に行っていたのに
今日はそのまま直行してしまった。




「やってしまった…。」




いくら知りたかったとは言え
いい雰囲気を完全にぶち壊してしまった。
明日になったら謝ろう。
真実よりも、私はこの幸せな空間を失いたくない。









「あの、宮館さん。」





心臓が止まるかと思った。
冷や汗が背中を伝い、全身が震えあがって
後ろを振り向くことができない。
しばらくすると声の主は目の前まで回り込んできた。



「急に呼び止めたのは悪いけど、
 無視はしないでほしい。」



「し、してませんよ…。」




紛れもなく目の前にいるのは亮平で
他人になりたいと願って死んだのに
なんで今こうして二人で話しているんだと怒りが芽生えた。



「な、なんで、すか?」



「いや、事故の事
 何か思い出したかなって。」




何でそこまで気にするのか。
この子が可愛いから?私の事なんてすっかり忘れたから?
あの噂は、きっと向井先生から伝えられているはず。
だからこそ、今こうして向き合っている姿に腹が立った。



「いいえ何も、せかされたって困ります。
 噂の真相が知りたくて声かけてきたんですか?
 わざわざ、関わりのない私にそこまでして
 教師としての評価が欲しいんですか?」




前世と合わせて、溜まった怒りが込上げてくる。
いつになく饒舌な私に、亮平も驚いていて
そのすきに潜り抜けて校門まで走った。






「待って、そうじゃない。」


「離して!!」




もう少しの所で腕を掴まれて引き留められたけど
その手はすぐにほどかれた。
いや、誰かが亮平の腕を掴んでいた。









「お前、何やってんの?」

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まいちゅん(プロフ) - ぱぐたろうさんの世界観が好きです。 (2021年1月25日 0時) (レス) id: 3613c412bc (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます!うれしいです、励みになります。今日からまた更新しますので是非見てください(^▽^) (2021年1月21日 19時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - りささん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます!そう言っていただけるとすごくうれしいです!りささんもお体ご自愛下さい、更新頑張ります(^^) (2021年1月21日 19時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - Roseさん» ありがとうございます、励みになります!Roseさんもお体お気をつけてください!(^^)! (2021年1月21日 18時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - しおさん» ありがとうございます!本日更新しますので是非見てください(^^)無事に楽しめました! (2021年1月21日 18時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぐたろう | 作成日時:2021年1月13日 20時

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