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「少し、いやだいぶ苦手な先生がいて。」
「何かされたの？」
「事故についてどこまで覚えてるのかって…。」
そう言うと、眉間に皺を寄せて
いつもの優しくて気品あふれる笑顔が消えた。
「その先生名前は？
あまりにもデリカシーなさすぎる。」
「だ、大丈夫！
友達も怒ってくれたし、向井先生が注意してくれたから。
でも、それはいいんだけど…。」
問題はその後だった。
午後の授業は英語で、向井先生が担当だったのだけど
その前にアンケートを取りたいと用紙が配布された。
「アンケートの内容が、さ、
このクラスにいじめや仲間はずれがあったかって。」
クラスがざわめきだした。
向井先生は下唇を噛みしめて俯いていて
隣を見ると、結ちゃんとラウちゃんも暗い顔をしている。
“これって噂のやつ…？”
“ただの噂でしょ？
宮館さんいじめるわけないじゃん…。”
小声で飛び交う会話を聞いて、察しがついた。
この子は、事故なんかじゃなくて
自分からトラックに飛び出したんだ。
「何も覚えてないから
もしあのアンケートが、事故に関係してるなら
なんで私にも書かせるんだろうって。」
はっきり言って配慮に欠けるだろうと思った。
でもクラス全員書かなきゃいけないみたいで
私だけ書かないわけにはいかないみたいだった。
「なんて書いたか、聞いてもいい？」
涼ちゃんは心配した表情で聞いてきて
私まで暗い顔をしたら駄目だと思い
できる限りの笑顔を見せた。
「知りませんって書いたよ。
覚えてないんだもん、仕方ない！」
「そっか、そうだよね。」
あまりにも明るく言うもんだから
涼ちゃんは一瞬ポカーンと口を開けていたが
すぐに笑顔に戻って、この話は終わった。
本当は、そんなこと書かなかった。
この手のアンケートは前世も合わせると二回目で
正直に書いたところで、何も変わらないことは
誰よりも知っている。
だから、あえて本題には触れずに
“もしあったとして、先生たちはどうするんですか？”
と、今の気持ちを書いた。
「こういうところが可愛げないんだよな…。」
そんな独り言は、最寄り駅に着いたことを伝える
車内アナウンスの声にかき消された。
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まいちゅん(プロフ) - ぱぐたろうさんの世界観が好きです。 (2021年1月25日 0時) (
レス) id: 3613c412bc (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！うれしいです、励みになります。今日からまた更新しますので是非見てください(^▽^) (2021年1月21日 19時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - りささん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！そう言っていただけるとすごくうれしいです！りささんもお体ご自愛下さい、更新頑張ります(^^) (2021年1月21日 19時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - Roseさん» ありがとうございます、励みになります！Roseさんもお体お気をつけてください!(^^)! (2021年1月21日 18時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - しおさん» ありがとうございます！本日更新しますので是非見てください(^^)無事に楽しめました！ (2021年1月21日 18時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年1月13日 20時
