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“照と辰哉君以外、つまり不倫女とクズ男が
 この先ずっと不幸になることを
 心の底から願っています。
 まあもうこれ読んでるってことはどん底だろうけどね(笑)”




「じいちゃん…。」





もはや笑えて来る、
でもきっとこれで祖父も親父も報われただろう。



ずっと騙されていたとはいえ親父を責め続けて
俺はとんだ親不孝者だ。
後で墓参りに行って謝らないと、なんて考えていると
追伸と書かれていることに気が付いた。





“遺産の事だけど
 お前らに残す金なんてない!
 照には悪いが変に相続して
 あのバカたちが襲ってきたら怖いので
 若い女の子に貢いだ!”




「若い女の子って…A?」




そう言えばブランドもの買ってもらってって言ってたな、
きっとデート代も祖父持ちだったんだろう。
いかにして母を苦しめるかを考えて行動している姿に
謎の関心を覚えている自分がいた。



「照くん!」



「終わった?」



「うん…じゃあお別れだね。」



「…もう会えないの?」



笑いながら頷くAに
胸が痛くなって力強く彼女を抱きしめた。
背中に細い腕が回ってきて
余計にチクチクと痛みが増した。



「俺…っ、」



「それ以上は言わないで、
 もう恋愛はこりごりだし
 私、照くんにいっぱい嘘ついたから。」




告白さえさせてくれないAは
小悪魔の様に見えてくる。
込み上げてくる涙を堪えていると
彼女はまた笑ってゆっくり離れていった。



「その任侠顔直したら
 彼女の一人や二人できるよ。」



「…やっぱ無理。」



「へ?」




「大学卒業したら必ず探し出す、
 じいちゃんが見つけられたんだから俺だってできる。
 その時は、俺と結婚しよ。」




「結婚?!」




目を見開いたAの頬に軽くキスをすると
顔を真っ赤にしながらタクシーに乗り込んだ。





窓を開けて顔を出すAに手を振ると
控えめに振り返してくれて
その指にはアンダルサイトの指輪が輝いていた。




「マジかよ…。」









アンダルサイトの石言葉は恋の予感









祖父は大きな嘘を最後まで隠していたようだ。

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ぴくみん(プロフ) - ぱぐたろさんの作品の一つ一つ伏線を回収していくお話が本当に好きで、今回もワクワクしながら読んでいたらあっという間にエンディングでした!今回の作品もとても面白かったです…いわふかの関係性が最高でした。 (2021年6月28日 3時) (レス) id: 3b567ca5ed (このIDを非表示/違反報告)
みー - 他にはないジャンル?のお話で、一気読みしました!すごくおもしろかったです! (2021年6月27日 23時) (レス) id: 978894b8a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぐたろう | 作成日時:2021年6月27日 20時

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